向島のブリキ屋一家と
家族をとりまく人々の
泣いたり笑ったりの日常を描く。
極貧ともいえる生活なのに
一家の顔は決して暗くは無い。
貧乏でも人情と心意気のある人たちが
助けあって暮らしている昭和の下町。
とうちゃん(伊藤雄之助)のような
乱暴な言葉使いのかあちゃん(望月優子)は、
隣に住む病身の奥さんを
親身に面倒みる、あったかいかあちゃんだ。
望月優子と伊藤雄之助、うますぎ。
怪物のような名優同士の見事な掛け合いが聞ける上、
丹波哲郎がぺらぺらと流暢な英語をまくしたてて笑わせたり
田崎潤が粋を見せてくれたり、
(この人はてっきり東京生まれだと
思いこんでいましたが、青森県出身だということをつい昨日知りました)
二木てるみの天才的な子役ぶりを確認できたりと、
これといった、大きな事件も起きないのに
まったく飽きさせない。
土管がころがる川っぺりに
今にも倒れそうなブリキ屋と蝙蝠屋、それと雑巾屋が並んでいる。
「always 三丁目の夕日」の中に出てくるような
駄菓子屋も登場する。
ただしリアルさは10倍です。
木下忠司のセレクションで、
クラシックなどの音楽も効果的に使われている。
怪談映画で有名な中川信夫の
底知れない才能に驚いた。
原作は「綴方教室」の豊田正子:「粘土のお面」
1961年 中川信夫監督作品 脚本 館岡謙之助
原作 豊田正子
撮影平野好美
音楽 .木下忠司
美術 黒沢治安
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