博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

二宮金次郎像の思い出

2021年02月02日 | 思い出

 現代の学校では、二宮金次郎像は「生徒に歩きスマホを奨励しているように見える」という理由で撤去されることが増えているそうです。

 改めて母校の銅像を眺めていた時に、小学校5年生の頃に読んだ『宿題ひきうけ株式会社』(古田足日 作 理論社 1966年 上の写真です)を思い出しました。主人公の小学生村山タケシと級友たちが分担して宿題を短時間で終わらせ、その答えを他の級友に売って稼ぐという「ビジネス」を思いついて実践し問題になるということが話の発端でした。タケシたちの担任の先生が、校内の二宮金次郎像を指して「他の農民がもっとましな生活をしたいと望んでいる中で、倹約しか唱えなかった」と批判していたことを思い出しました。セリフはうろ覚えです。なにぶん実際に読んだのが50年前なのです。

 あとタケシと親しい工場に勤めるお兄さんが、NHKラジオのロシア語講座で熱心にロシア語を学んでいるエピソードも印象的でした。なぜロシア語を学ぶのかというタケシの質問に、お兄さんは「ロシアは人工衛星スプートニク1号を世界で最初に打ち上げた国だからね。その国の言葉を勉強することは意味があるよ」と答えます。作者の故古田足日氏は早稲田大学第一文学部ロシア文学専攻を中退しているので関係があるのかなと思っていました。同書は1960年代前半の高度経済成長を開始した世相を反映し当時の旧電信電話公社ダイヤル自動化人員削減合理化反対闘争のエピソードが出てくるなど意外とヘビーな内容の児童書でした。


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