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菊池恵楓園の歴史が物語るものは、無知や迷妄が人々に間違った行動をとらせたということではありません。高等教育を受け、無知や迷妄から脱却していたはずの近代医学の知識を持った専門家や行政が、非人道的なハンセン病患者の隔離政策を意識的に90年間の長きにわたって遂行したということです。今回の施設訪問を発案した若手研究者のH氏はいみじくも、わが国の医療行政において「科学が迷信に負けた」事例であると語っていました。こうしたことを繰り返さないために何ができるかを考えていきたいと思います。
上の写真は菊池恵楓園の単身者用入居施設で、今は使われていません。下の写真は高齢等によって介護を必要とする方の入居施設です。高齢化によって多くの入居者がこちらの施設に移っているそうです。