しっとう?岩田亜矢那

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虚像(メディア)の砦 真山仁

2008年03月19日 17時07分33秒 | 読書感想文
あの「ハゲタカ」の作者の小説が面白くなかろう筈がない。

今回描くのはテレビ局の裏側、
数年前に中東で日本人3人が誘拐されたが、
反対に被害者やその家族が大バッシングを受けて
「自己責任」なんて流行語も生んだ、あの事件を舞台に
それにまつわるテレビ局、行政、政治家達の虚々実々の駆け引きとパワーゲーム

あの中東で誘拐された被害者達へのバッシングは、
政府への非難の目を逸らす為に
政府自身がリードして作り上げたものではないのか?

そんな疑いの下に物語は進み、そして再免許年にあたるテレビ局自身が…

後はネタバレになるので、皆さんが実際の小説の中で楽しんで頂くとして、
テレビ局が免許事業である限り、
常に監督官庁に「再免許交付(免許更新ではない)」という首根っこを押さえられている。
つまり政府にとって都合の悪い報道をするテレビ局に対しては
「次回の免許の交付は」
と暗に脅す材料を持ち得ているという事。

行政官の母親がこの事件報道をみて言う台詞
「どのチャンネルでも同じ事言ってるんだよ。なら間違いはないだろう」
これって我々多くの市民が同じように持っている感覚ではないだろうか?
それに対して行政官が
「みんなが同じ事を言うのって、むしろ危険だと思う」

この小説が書かれた時と比べてブログや掲示板で一般人が自らの意見を述べる機会が格段に増えた。
一見、昔に比べてより多くの人が自由に発言出来る機会が増えたかに思えるが、
ちょっと異端で過激な発言をすると
「炎上」
というバッシングが待っている。


日本も決して誰もが自由に発言出来る国ではないのだ。
マスメディアの中でも、インターネットの中でも