これはブックカバーではない。
実はほぼ全体が映画宣伝用の「帯」なのだ。
一応「帯」なんでびみょーに小さく、上の方が若干出ている。
この辺りのこだわりはさすが、
題材も密室劇がお得意な三谷幸喜としてはぴったりの「清須会議」である。
彼が歴史ファンというのは周知の事実、
って言うか大河ドラマの『新選組!」や、
その前は賛否両論だった『竜馬におまかせ!』も担当してるし。
だから専門は幕末かと思ったら戦国時代にも造詣が深かったんや。
この作品の特徴は「現代語訳」を使ってること。
と言っても大昔の文献を引用して、とかじゃなく、
歴史小説でおなじみの「ござる」や「じゃ」てな歴史っぽく聞こえる演出を排除して、
全て現代人が話すそのままの口調で、カタカナ語なんぞも平気で使わすのである。
これが各キャラクターを際立たせるのに役立っている。
リアルうつけの織田信雄、
ホントは清須会議のキャスティングボードを握るんだけど歴史上は存在が希薄な池田恒與、
織田家の家督を継ぐ三法師の母親の松姫、
ええ味出してますな。
しかも唯々面白おかしく書き上げてるだけではない。
時代劇なんかでは一瞬で終わってしまう「清須会議」
その中では「秀吉が光秀を討ったのだから当然思うがままだった」と描かれる事が多かったけど、
実はそんな単純ではない。あらゆる策略を使って三法師を跡継ぎに据えたって事を丁寧に描く。
きっどさんは、このブログの歴史ドラマなんかの解説で散々言ってきた、
「清洲会議は信長の後継者を選ぶ会議ではない、既に家督は長男の信忠に譲っている。
ただ信忠も同時に亡くなってしまったので、その息子の三法師が織田家家督を継ぐのは当然」
をこの小説ではちゃんと説明してくれているし。
って事で原作をあっと言う間に読み切ったので
只今、絶賛公開中の映画を観に行かなくっちゃ!
因みに歴史の教科書では多分「清洲会議」って書かれていると思うけど
原作小説も映画も「清須会議」なのでご注意を!