「ちっぽろに来た!ちっぽろ!ちっぽろ!」
私の娘は私の実家へやって来ると、必ずこれを連呼する。語感が面白いらしい。
そんな無邪気な娘とは裏腹に、私は望郷の念に支配されていた。
子供の頃、よく遊んでた川を通ると、ふいに電信柱の貼り紙に目が止まった。
『探しています。真鍋美佐子(まなべみちこ)ちゃん(当時7歳)』
親友だった美佐子…
寒い冬に一人でお使いに行ったっきり、消息が分からなくなってしまったのだ。
未だに見つかっていないとは…
そんな過去を思い出していると、私たちの横を地元の子供たちが通り過ぎた。
「たくや君とくるみちゃんか」
当時、私が付けていた大きな名札を今の小学生も付けてるとは…私は少し嬉しくなった。
「ねえママ、みちこちゃんってお友達なの?」
娘の突然の問いにしばし戸惑ったものの、すぐに私は理解した。
「さっきの貼り紙のことね…あれは間違ってるの。みちこじゃなくて、みさこよ。」
私の娘は私の実家へやって来ると、必ずこれを連呼する。語感が面白いらしい。
そんな無邪気な娘とは裏腹に、私は望郷の念に支配されていた。
子供の頃、よく遊んでた川を通ると、ふいに電信柱の貼り紙に目が止まった。
『探しています。真鍋美佐子(まなべみちこ)ちゃん(当時7歳)』
親友だった美佐子…
寒い冬に一人でお使いに行ったっきり、消息が分からなくなってしまったのだ。
未だに見つかっていないとは…
そんな過去を思い出していると、私たちの横を地元の子供たちが通り過ぎた。
「たくや君とくるみちゃんか」
当時、私が付けていた大きな名札を今の小学生も付けてるとは…私は少し嬉しくなった。
「ねえママ、みちこちゃんってお友達なの?」
娘の突然の問いにしばし戸惑ったものの、すぐに私は理解した。
「さっきの貼り紙のことね…あれは間違ってるの。みちこじゃなくて、みさこよ。」