DQN……。
[10代~20代前半の若者に見られ、少年と大人の精神が混濁している人間のこと。
また、非常識、粗暴、暴走族(現、珍走団)もこのDQNに含まれる。
そんな彼らに子供が出来た時、ゲーム、アニメキャラ、当て字といった常識では到底読むことの難解な名前を付ける傾向にある。
(→DQNネーム) ]
俺はDQNが嫌いだ。
あの、見るからに頭の悪そうな顔と一様に似たファッションセンス。
深夜になっても幼児であろうがお構いなしに外に連れ出す非常識っぷり。
ましてや、そんな子供に対して有り得ない名前を付ける無能さ。
嫌気がさす。
だから俺は、今からDQN達を狩りに行くとする。
とりあえず、部屋で計画を立てる。
相手からの攻撃を受けた際に負傷することも考えられる為、グリーンハーブは最低でも3個は持っておきたい。
法には触れていない為、問題は無い。
それから、いくらDQNであろうと、多対一で対する場合、俺に勝ち目は無い。
そこで、いにしえより伝わりし家宝の聖剣を装備していくことにする。
本来は、魔王ヂョンナムを討伐する為に生成されたという伝説の聖剣、[アベノミクス]。
普通の人には果物ナイフにしか見えないだろうが、この聖剣さえあれば負けることはまず無いだろう。
準備を整えた俺は、DQNを駆逐する使命を胸に抱き、夜のコンビニへと向かった。
下級DQNを発見した。
キャップのツバを後ろにして被り、だぼだぼの服を着て、ズボンは腰から下着が見えるという出で立ち。
一人で居る所を見ると、これから仲間のDQN達と合流するといった所か。
人数が増えると厄介だ。
背後に忍び寄り、電話で『マジでぇ』を連呼するDQNを狩る…。
反応が無くなったのを確認した後、奴が身に付けていたキャップを戦利品としてGETした。
早速装備する。
防御力が上がった気がする。
そのまま更なるDQNを求め、夜の繁華街へと繰り出した。
二人組のDQNを発見した。
路上喫煙が禁止となった今でも、我が物顔で堂々と路上で歩き煙草をしている様は、明らかに悪そのもの。
人の目が無いことを確認し、背後から二人組のDQNに奇襲をかけた。
……多少、かすり傷を負ったが、グリーンハーブの効果によりテンションゲージが高まった俺に負けることは無い。
戦利品として、二人組から3Lサイズの服と、だぼだぼのズボンを剥ぎ取り装着する。
大分、防御力が増加されたような気分だ。
再びDQNを探しに夜のダンジョンと呼ぶに相応しい繁華街を練り歩く。
片隅の小さな駐車場にDQNのグループが集まっていた。
攻撃力を上げるレッドハーブを使用し、準備は整った。
さりげなく集団の中に入り込み、一撃で的確に急所だけを狙い、狩る。
夜に酒を飲み喚いている迷惑行為をしていたのが悪いと後悔するんだな。
レッドハーブの効果が絶大だったということもあり、今回は負傷することなく四人のDQNを駆逐することに成功した。
ブレスレット、サングラス、サンダル、ドクロのデザイン指輪をGETし、早速装着。
一通り装着し終えた俺の前に国の番犬、ケルベロス数匹に周りを取り囲まれた。
DQNの駆逐がまだ終わっていないというのに、早速サブの敵キャラ襲来ですか…。
くくく。
いいだろう…。
DQNを駆逐する前の軽い余興といった所だ。
襲い掛かるケルベロス達を前に、俺は聖剣[アベノミクス]を力強く握りしめた