大学に入学するなり、さっそくバイトの申し込みをしに行った。
バイト内容は、遊園地のマスコットキャラクターの着ぐるみを着て、園内を回るというもの。
面接をされ、即採用。
バイト初日、休憩室に用意されていた着ぐるみに着替え、園内へ。
日曜ということもあり、子供達が飛び付いてくる。
俺もあんな感じだったのかなぁ。
それにしても、予想以上に着ぐるみの中は暑い。
夏ということもあり、蒸し風呂に入っているみたいだ。
休憩時間になり、事務所の休憩室へ向かった。
休憩所に着くと、この遊園地のキャラクターだろうか、猿の着ぐるみを着た人が既に座っていた。
部屋の角の所に、頭も取らないで体育座りをしていた。
俺は暑さに耐え切れず、すぐに頭の部分を取り外した。
俺『っふぅー、あっちぃー。いやー、お疲れ様っす。』
俺は猿の着ぐるみの人に向かって、挨拶をした。
俺『あ、俺、今日からここで働かせてもらう○○っていいます。宜しくっす。』
しかし、猿の着ぐるみを着た人は微動だにせず、前一点しか見ていない。
俺『あのー……、ああ、寝てんのか。』
それ以降は、猿の着ぐるみの人に声を掛けるのを辞め、ケータイを弄りながら昼飯を食って休憩時間を過ごした。
クーラー付いてないのに暑くねぇのか?
休憩が終わる5分前には、また園内に出ないといけなかったので、
俺『じゃ、俺先に行きますね。失礼しやーす。』
と言って休憩室のドアを開けて廊下に出た。
ドアを閉める際に、猿の着ぐるみの人が右手を上げていたのが目に入った。
なんだよ、起きてたのか。だったら声の一つでも掛けてくれてもいいのに。
そんなことを思いながら、俺は園内に出て、また子供達と戯れていた。
そういえば、猿の着ぐるみのキャラクター見ないな。サボってんのか?
閉園時間になり、事務所の脇の休憩室に戻って来た。
あっちー、あっちー。
『お疲れさん、どうだったね、着ぐるみの仕事は。きっついだろ。』
俺を採用してくれた園長さんが声を掛けてくれた。
園長と話をしてから、着ぐるみを何処に戻せばいいのか聞いた。
園長『休憩室の隣の部屋のハンガーにでもかけといて。』
俺は言われたとおり、隣の着ぐるみ用の部屋のハンガーに、これからお世話になる相棒をぶら下げた。
ん、あれは?
猿の着ぐるみ?先に上がったのか?
結局挨拶出来なかったな。
退勤の際、園長に聞いてみた。
俺『あのー、猿の着ぐるみなんですけど、』
園長『うん、どした?』
俺『あれ着てた人、先にいったんですか?』
園長『……、ああ、だいぶ前にいったよ。もういないけどね。元気な青年だったよ。知り合いだったの?』
俺『あ、いえ、そうじゃないですけど。…それじゃ、失礼しやす。』
園長『ああ、気をつけてな。車に撥ねられるなよ。これ以上、人員減らしたくないからな。』
園長に別れを告げて俺は遊園地を後にした。
最後に見た園長の顔、何か元気なかったような。
ま、いっか。
明日こそ猿の着ぐるみの人と喋ってみよう。
しかし、それ以来、猿の着ぐるみの人と会うことは無かった。
辞めたのか?
バイト内容は、遊園地のマスコットキャラクターの着ぐるみを着て、園内を回るというもの。
面接をされ、即採用。
バイト初日、休憩室に用意されていた着ぐるみに着替え、園内へ。
日曜ということもあり、子供達が飛び付いてくる。
俺もあんな感じだったのかなぁ。
それにしても、予想以上に着ぐるみの中は暑い。
夏ということもあり、蒸し風呂に入っているみたいだ。
休憩時間になり、事務所の休憩室へ向かった。
休憩所に着くと、この遊園地のキャラクターだろうか、猿の着ぐるみを着た人が既に座っていた。
部屋の角の所に、頭も取らないで体育座りをしていた。
俺は暑さに耐え切れず、すぐに頭の部分を取り外した。
俺『っふぅー、あっちぃー。いやー、お疲れ様っす。』
俺は猿の着ぐるみの人に向かって、挨拶をした。
俺『あ、俺、今日からここで働かせてもらう○○っていいます。宜しくっす。』
しかし、猿の着ぐるみを着た人は微動だにせず、前一点しか見ていない。
俺『あのー……、ああ、寝てんのか。』
それ以降は、猿の着ぐるみの人に声を掛けるのを辞め、ケータイを弄りながら昼飯を食って休憩時間を過ごした。
クーラー付いてないのに暑くねぇのか?
休憩が終わる5分前には、また園内に出ないといけなかったので、
俺『じゃ、俺先に行きますね。失礼しやーす。』
と言って休憩室のドアを開けて廊下に出た。
ドアを閉める際に、猿の着ぐるみの人が右手を上げていたのが目に入った。
なんだよ、起きてたのか。だったら声の一つでも掛けてくれてもいいのに。
そんなことを思いながら、俺は園内に出て、また子供達と戯れていた。
そういえば、猿の着ぐるみのキャラクター見ないな。サボってんのか?
閉園時間になり、事務所の脇の休憩室に戻って来た。
あっちー、あっちー。
『お疲れさん、どうだったね、着ぐるみの仕事は。きっついだろ。』
俺を採用してくれた園長さんが声を掛けてくれた。
園長と話をしてから、着ぐるみを何処に戻せばいいのか聞いた。
園長『休憩室の隣の部屋のハンガーにでもかけといて。』
俺は言われたとおり、隣の着ぐるみ用の部屋のハンガーに、これからお世話になる相棒をぶら下げた。
ん、あれは?
猿の着ぐるみ?先に上がったのか?
結局挨拶出来なかったな。
退勤の際、園長に聞いてみた。
俺『あのー、猿の着ぐるみなんですけど、』
園長『うん、どした?』
俺『あれ着てた人、先にいったんですか?』
園長『……、ああ、だいぶ前にいったよ。もういないけどね。元気な青年だったよ。知り合いだったの?』
俺『あ、いえ、そうじゃないですけど。…それじゃ、失礼しやす。』
園長『ああ、気をつけてな。車に撥ねられるなよ。これ以上、人員減らしたくないからな。』
園長に別れを告げて俺は遊園地を後にした。
最後に見た園長の顔、何か元気なかったような。
ま、いっか。
明日こそ猿の着ぐるみの人と喋ってみよう。
しかし、それ以来、猿の着ぐるみの人と会うことは無かった。
辞めたのか?