しっとう?岩田亜矢那

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意味がわかると怖い話2468 「HAPPY BIRTHDAY TO YOU!」

2017年03月25日 14時09分20秒 | 意味がわかると怖いコピペ

朋美は腹を立てていた。明日は自分の誕生日だというのに、恋人の健太は急な出張で今から大阪に飛ばねばならないという。 

「誕生日は一緒に祝ってくれるって約束したのに…」 

『悪いな。取引先との急な仕事が入っちゃってさ。でも、朋美の誕生日は一番に祝うよ』 

「本当?約束よ?絶対だからね!」 

『ああ、約束するよ。じゃあね朋美。愛してるよ』 

そんな恋人同士のありふれた会話を交わし、朋美は電話を切った。 



「さってと…もう寝よ~っと」 

夜の11時、朋美は部屋の明かりを消して、ベッドに入った。今夜は両親も留守で、二階建ての一軒家には朋美一人である。 

(ちょっと怖いな…ま、幽霊なんているわけないしね。平気平気) 

そんなことを考えて、朋美は眠りについた。 


どれ程経っただろうか。 
うつらうつらと舟を漕いでいた朋美は、物音に目を覚ます。 
ガサゴソという何かを漁る音。ギュッギュッという室内では不自然な足音。ドアが開閉する音。全ては下の階から聞こえる。 

朋美の脳は一瞬にして覚醒する。 
泥棒…朋美の脳裏に浮かんだ二文字は、規則的な足音が階段をのぼってくることで色濃くなる。 

(やだ!こっちにくる!どうしよう…) 

朋美は焦った。足音は間近だ。朋美の寝室の隣から聞こえてくる。 

慌てた朋美は、それでも極力音を立てぬようにクローゼットの中に隠れる。咄嗟に枕元に目覚まし用にと置いていた携帯も掴んだ。 

朋美がクローゼットの戸を閉めた瞬間、部屋のドアが開く。入ってきたのは大柄な男。男が自分の部屋に入ってくる様子を、朋美はクローゼットの戸の隙間から見ていた。 

机の上に置かれた蛍光塗料付きの時計が放つ緑色の怪しい光が、男の持つ何かを照らし出す。 

それは、包丁だった。 

(いやだ…いやだ!見つかったら殺される!助けて健太、健太!) 

男がすぐそこにいては、警察に電話することもできない。朋美は来るはずのない健太に助けを求めた。 

(ん…?健太…?) 

何かが頭に引っ掛かる。 
ふと、目線をうろついている男から、机の上に移す。 

時計の針がカチリ、と音を立てて重なった。