僕はA。
先日妻が双子の娘を残して他界した。
僕の目の前でビルの屋上から飛び降りたのだ。
正直、子供は好きじゃない。
が、笑顔で
「パーパ」
なんて呼ばれるのも悪くないかな?なんて思い出した。
妻には妹がいた。
性格以外、とても良く似ていた。
彼女が子供達の世話も手伝ってくれた。
良く出来た義妹だ。
妻の死から3年という月日が過ぎたある日。
彼女から食事に誘われた。
一緒に食事をした事こそあれ、彼女の家に招かれるのは初めてだ。
思えば彼女はずっと独身だ。
...俺にでも惚れたかな?悪い気はしないな。
娘達を適当に預けて...と思った矢先、
彼女が迎えに来てしまった。
せっかちだな。
そーゆー所はあいつに似てるのか。
まあ、しょうがない。
俺は娘達を連れて部屋をでた。
珍しく静かな娘達。
しかし、にこにことしている。
食事を終え、娘達はうとうとしだした。
彼女はコーヒーを入れて来ると席を立った。
ここからは大人の時間だな...
そんな気持ちが表情にでたかでないかの瞬間、
娘達が奇妙な歌を歌いだした。
それも姉と妹、別の歌を同時に歌いだしたのだ。
シンクロというのか、同時に...なんてことは今までもあった事だが、この奇妙な歌は何なんだ!?
姉「♪茶碗、曰く、庭で、曲がる、鋼、あとお箸♪」
妹「いくら、待っても、終わりゃせん、ちゃんと、人参、洗って、走れ。」
何なんだ?????
と、そこに彼女が戻って来た。
すると娘達はにこりと微笑み歌うのを止めた。
一息ついて、俺はコーヒーをすすった。
...瞬間、俺は狂った。
娘達はまたあの歌を歌いだした。
....ああ、シンクロって恐ろしいな。