「来斗!!今日はどこ行くのっ?」
「夢香の行きたいとこかな?」
「えぇー?教えてよぉ…」
「ふふっ、可愛いなぁ。」
私は神楽夢香(かぐらゆめか)。
17歳で、青春満喫中です。
「夢香の行きたいとこかな?」
「えぇー?教えてよぉ…」
「ふふっ、可愛いなぁ。」
私は神楽夢香(かぐらゆめか)。
17歳で、青春満喫中です。
そして、同い年の私の彼氏、幸坂来斗(こうさからいと)。
かっこよくて、優しくて…
本当に大好き。
来斗とは、小さい頃からずっと一緒だった。
いわゆる幼なじみってやつ。
まさか両想いだったなんてね…
少し前に付き合い始めたばかりだけど、お互い恋人関係以上に大切な人だった。
だから、この先も、別れることなんて考えられない。
「もう、来斗のバカっ!!大好きっ!!///」
「うん、俺もだよ。」
でも、やっぱり永遠なんてないんだね。
「ね、ねぇ………来斗?嘘だよね?…ねぇ、起きてよ。…起きて、笑いながら『夢香』って呼んでよ!!…来斗……来斗!!!!!うわぁぁぁん!!」
ねぇ、嘘だよね?
来斗が事故で死ぬなんてあり得ないもんね?
ずっと一緒いるって約束したじゃない!!
来斗のバカ!!
嘘つき!!
かっこよくて、優しくて…
本当に大好き。
来斗とは、小さい頃からずっと一緒だった。
いわゆる幼なじみってやつ。
まさか両想いだったなんてね…
少し前に付き合い始めたばかりだけど、お互い恋人関係以上に大切な人だった。
だから、この先も、別れることなんて考えられない。
「もう、来斗のバカっ!!大好きっ!!///」
「うん、俺もだよ。」
でも、やっぱり永遠なんてないんだね。
「ね、ねぇ………来斗?嘘だよね?…ねぇ、起きてよ。…起きて、笑いながら『夢香』って呼んでよ!!…来斗……来斗!!!!!うわぁぁぁん!!」
ねぇ、嘘だよね?
来斗が事故で死ぬなんてあり得ないもんね?
ずっと一緒いるって約束したじゃない!!
来斗のバカ!!
嘘つき!!
「夢香!!だいじょぶか!?来斗が車に轢き逃げされたって、本当か!?」
「お兄ちゃん…」
さっき、私はお兄ちゃんに来斗が事故で亡くなったって連絡した。
私の両親はもういないから、お兄ちゃんが私の支え。
いつも私のことを考えてくれていて、守ってくれる。
私に尽くしてくれる、優しいお兄ちゃんなんだぁ…
「そうか…。もう亡くなったか…」
「うん………お兄ちゃん…」
「よしよし、だいじょぶ。これからお兄ちゃんが支えになるからな。」
そんなこと言われても、私はもう、生きる意味がなくなった。
お兄ちゃんごめん。
私、いくから…
君がいなくなるなら、私もこの世界を去ろう。
君のいない世界なんて考えられない。
君のもとへ行こう。
私が一人、自分の部屋にこもって死ぬ覚悟を決めたとき、私の体は黒い靄に包まれた。
「な、なにこ…れ………」
『おい、目を覚ませ、人間。』
「………?」
『やっと起きたか…』
「!!」
目の前にあったのは、声を発する黒い靄の塊で…
『まあ、そう驚くな。…というのも無理か。』
私は、恐怖と威圧感で、一言も声を発せられなかった。
『俺は死神だ。人間にはただの靄にしか見えないだろうがな…
お前に提案があって、この世界に引き込んだ。聞いてくれるか?』
黒い靄が、顔を近づけるかのように寄ってくる。
私は頷くことしかできなかった。
『提案というのはこうだ。お前には、夢の世界の管理人になって欲しい。』
「夢の世界の管理人?」
私は、そこでやっと口を開いた。
『そうだ。承諾してくれるか?』
「あの…どういうことをするんでしょうか?」
『あぁ…そうだな。主な仕事は、迷える人間共を夢の世界へ連れて来ることだな。』
「何故ですか?…というか、何故私を?」
『それは…まぁ…
お前が一番未練を持っているから、だな。
そして、管理人となって、永遠の夢の世界を管理してくれないか?
提案と言ったのは、もし夢の世界の管理人になったら、お前の大切な人に会えるかもしれないからだ。どうだ?
まぁ、保証はないがな。』
「え…?それはどういう…」
『管理人は、夢を渡ることができる。夢の世界は、なん区画にも別れているから、その数多の夢の中に、お前の大切な人がいるかもしれない。そういうことだ。』
「来斗に会えるかも…しれない…」
『引き受けてくれるか?』
来斗に会えるのなら…
「…わかりました。」
『ハッハッハッハッハッ!!よしよし、それでは頼むとしよう。記憶は少し消すからな。新たな名前は…』
「記憶が消されるというのなら、私が自分でつけてもよいでしょうか?思い出の名を…」
『…まぁよい。名は?』
「はい、私は…」
『やはり人間とは愚かなだな。
禁忌を犯したり、願いを叶えるモノにすがったり…
だからこそ、利用できるのだがな。
そうだよな、ライカ?
ハーッハッハッハッハッハ!!』
「仰せの通りでございます…」
ある人が夢にすがり、現実から逃げた。
ある人が大切な人を追って夢へ向かった。
ある人が自分の欲望を叶える為に夢を造った。
今日も私は大切な『誰か』に出会うため、夢を渡り、夢へ誘う。
あぁ、人間よ。
どうかきれいな記憶のままで
夢の世界へ『墜ちて』くださいませ…
「お兄ちゃん…」
さっき、私はお兄ちゃんに来斗が事故で亡くなったって連絡した。
私の両親はもういないから、お兄ちゃんが私の支え。
いつも私のことを考えてくれていて、守ってくれる。
私に尽くしてくれる、優しいお兄ちゃんなんだぁ…
「そうか…。もう亡くなったか…」
「うん………お兄ちゃん…」
「よしよし、だいじょぶ。これからお兄ちゃんが支えになるからな。」
そんなこと言われても、私はもう、生きる意味がなくなった。
お兄ちゃんごめん。
私、いくから…
君がいなくなるなら、私もこの世界を去ろう。
君のいない世界なんて考えられない。
君のもとへ行こう。
私が一人、自分の部屋にこもって死ぬ覚悟を決めたとき、私の体は黒い靄に包まれた。
「な、なにこ…れ………」
『おい、目を覚ませ、人間。』
「………?」
『やっと起きたか…』
「!!」
目の前にあったのは、声を発する黒い靄の塊で…
『まあ、そう驚くな。…というのも無理か。』
私は、恐怖と威圧感で、一言も声を発せられなかった。
『俺は死神だ。人間にはただの靄にしか見えないだろうがな…
お前に提案があって、この世界に引き込んだ。聞いてくれるか?』
黒い靄が、顔を近づけるかのように寄ってくる。
私は頷くことしかできなかった。
『提案というのはこうだ。お前には、夢の世界の管理人になって欲しい。』
「夢の世界の管理人?」
私は、そこでやっと口を開いた。
『そうだ。承諾してくれるか?』
「あの…どういうことをするんでしょうか?」
『あぁ…そうだな。主な仕事は、迷える人間共を夢の世界へ連れて来ることだな。』
「何故ですか?…というか、何故私を?」
『それは…まぁ…
お前が一番未練を持っているから、だな。
そして、管理人となって、永遠の夢の世界を管理してくれないか?
提案と言ったのは、もし夢の世界の管理人になったら、お前の大切な人に会えるかもしれないからだ。どうだ?
まぁ、保証はないがな。』
「え…?それはどういう…」
『管理人は、夢を渡ることができる。夢の世界は、なん区画にも別れているから、その数多の夢の中に、お前の大切な人がいるかもしれない。そういうことだ。』
「来斗に会えるかも…しれない…」
『引き受けてくれるか?』
来斗に会えるのなら…
「…わかりました。」
『ハッハッハッハッハッ!!よしよし、それでは頼むとしよう。記憶は少し消すからな。新たな名前は…』
「記憶が消されるというのなら、私が自分でつけてもよいでしょうか?思い出の名を…」
『…まぁよい。名は?』
「はい、私は…」
『やはり人間とは愚かなだな。
禁忌を犯したり、願いを叶えるモノにすがったり…
だからこそ、利用できるのだがな。
そうだよな、ライカ?
ハーッハッハッハッハッハ!!』
「仰せの通りでございます…」
ある人が夢にすがり、現実から逃げた。
ある人が大切な人を追って夢へ向かった。
ある人が自分の欲望を叶える為に夢を造った。
今日も私は大切な『誰か』に出会うため、夢を渡り、夢へ誘う。
あぁ、人間よ。
どうかきれいな記憶のままで
夢の世界へ『墜ちて』くださいませ…
「みなさん、ご機嫌麗しゅう((ニコッ
今宵も素敵な夢の世界へご案内致しましょう。フフッ」
今宵も素敵な夢の世界へご案内致しましょう。フフッ」