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博物館の壁にパネルで展示されていたこの写真の前で
足が止まり、しばし見つめていた。
この写真が撮られた時代の背景を想像しながら、
明治生まれの祖父と大正生まれの実父のことを考えていた。
このパネルは明治初頭あたりかな?
大正・昭和よりかなり前の時代を感じる。
仕事の手を休めてカメラを見る人、家から出てきてカメラに収まる人、
腕を組んでいる人、直立の人、立ち話をしながらカメラを注視する人、
物陰にひそみながら見る人。よほどカメラが珍しかったらしい。
フラッシュBONの時代ならガラス板かも、
水没した生家にはガラス板の写真がたくさん置いてあった。
国の技師をしていた祖父は三つ揃いを着て仕事中の姿、
官舎の前で撮った家族写真で母が抱いてる赤子はぼくの兄、
ぼくはまだ卵にもなっていない。
その兄は3歳の時に疫痢で没した。
医者も薬もない
昭和初頭の田舎はそういう時代だった。
浮世絵に惹かれて出かけたはずなのに、
展示物を見ていると興味はしだいに郷土と自分の歴史に移っていく、
それこそ博物館(というより資料館)を作った意義があるというもの。
見出し画像の写真パネルを見ただけで満足して帰ってきた。
フラッシュバックする昔日に心を揺さぶられた。
写真には大きなチカラがあるんだね。
厚木市あつぎ郷土博物館(1)
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