睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

植村直己著「青春を山に賭けて」・一瞬の秋を見た

2020-08-11 02:31:47 | ひびつれづれ



深夜2時ごろ、
エアコンが効いた部屋からベランダに出た。
ガラス戸を開けるだけでむっとした熱気に包まれる。
北向きのガーデンチェアに座りタバコに火をつけた。

生温い風のあいだに冷気を含んだ風がふっときた。
立秋を過ぎて早々と秋のリハーサルに入ったのか、
1本のタバコをくゆらすあいだに一瞬の秋を見た。

真夏の暑さのピークはいまごろ
お盆を過ぎれば土用の波が立ち
鐘ヶ淵の水は冷たさを増す
暑さ寒さは彼岸までと決まってる。

そんな日本の四季が壊れるかもしれない
不遜な人間は無自覚のまま地球を傷めつける
南極の氷の巨大ブロックは棚を離れ氷山となり海を漂う
アルプスの氷河は融けて崩れて日ごと後退するばかり。

75年前にアルプスで行方不明になった夫婦の遺体が
後退した氷河から発見された。
クレバスに落ちたと思われる二人が長い月日を経て
薄くなった氷河の表面に現れた、嗚呼75年。




植村直己・・・あと何年待てば出てくるんだ(TдT)ウゥ…
1984年2月12日に世界初のマッキンリー冬期単独登頂を果たし、
翌13日下山途中の午前11時に軽飛行機との無線連絡を最後に
消息を絶った。あれからもう36年が過ぎた。 

ウン十年ぶりに「青春を山に賭けて」を読んだ。
初版1977年文藝春秋刊の文庫はぼろぼろに擦り切れて粗末な
本になってしまったけど、捨てられない本にカウントしている。
いつ読んでも、何度読んでも、熱い思いが滾る。


蜘蛛の糸に天使の梯子、
そうだジャックの豆の木もあった。

よい夢になりますように
おやすみ。





Short Story:銀河飯店のBGMは店主の怒鳴り声
工業団地のはずれにある大衆食堂のお昼どきはいつも満員御礼の繁盛ぶりだった。通りすがりに車の中から銀河飯店の看板を見たときは店の佇まいにそぐわない店名にニヤリとした。灰色の建材に囲ま......




夕焼け小焼け






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