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林間を通る木道
ここには白い彼岸花が咲いてるそうだが
台風の15号の影響でなぎ倒されていた。
小高い丘をそのまま緑地公園にした小山田緑地はリュックを背負った中高年や
犬を連れた家族連れがちらほら、3連休の中日とはおもえないほど空いている。
隣接された無料の駐車場に車を停め、カメラバッグを背負い入り口に向かった。
左膝に爆弾を抱えてる状況で山道を歩けるかどうか不安だった。
平地は大丈夫だけど、階段などの上がり下りで突然膝が突っ張りコケる時がある、
一度しゃがむとそのまま立ち上がれない。
一度地面にお尻をつけて、膝関節がごきっと音を立て真っ直ぐになると、立てる。
和式トイレはとんでもない、野外のキジ打ちもムリ。
行きはなだらかな歩きで帰りはロープウェイ、水洗の便座トイレがある山小屋なんて
あるわけないよな。
そんなんで山から遠ざかってもう10数年が経つ。
医者は、普段の生活や仕事に支障がないのだから無理して手術するこたないと、
それもそうだと納得してここまできた。
ウン十年も二足のわらじでリーマンを続けてきた。
リーマンをやめて自由業一本になったとたん...むくむくと湧き上がる何かがある。
拘束された仕事から、自分で自分を管理する時間を得て、何かが変わった。
それは"自分指向"みたいなモノ。
周りの人を煩わすことなく、また干渉されることなく、マイペースで行こうと。
木道、丸太道、石畳、関東ローム層丸出しの茶色道、落ち葉で埋まったけもの道、
その道の両側に台風15号がもたらした倒木が目立つ。
太い木が根こそぎ倒れたり、林の中で生木を裂かれた痛々しい木もある。
水深が浅いトンボ池の中に敏捷に動く黒い生き物がいた。
水底にたまった落ち葉のカゲに長い尾らしきものが見えたから、たぶんイモリ。
おたまじゃくしやヤゴをエサにこの池に棲みついているんだろう。
いいこともわるいことも全部ひっくるめて自然の摂理...そう思うしかない。
わずかな水たまりに残された小魚やどじょうは野鳥の格好のエサになり、
その野鳥はもっと大きい鳥やヘビに狙われる。
エデンの昔から命のサイクルはそうやって繋がってきた。
食物連鎖の頂点に立つ人間は、その驕りゆえ、怒り狂った自然の猛威に殺される、
なんの不思議あらざるや。
大いなる"慈愛の眼"は目前の動物を助けるだけじゃないし...。
緩やかで時に急なアップダウンを繰り返しながら2時間くらい歩いた。
膝はなにごともなかった、これならいける。
傾斜地に広がる芝生に寝転んで見果てぬ夢をみた。
子供時代は峰の薬師が遊び場だった。
七曲りの急坂をどんどん登りつめ、峰の薬師のお爺さんから水をもらって飲んだ、
帰りは転がるように駆けるように降りてきた。
峰の薬師のお爺さんが亡くなったときは山の中腹にぽつんぽつんと灯りが瞬いた、
その灯りの中に背負子を背負ったうちの母もいたそうだ。
なにもかも山は懐かしい。
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