睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

散文詩ーマイ、ダブルスタンダード 中野重治「歌」 月齢10の月

2019-08-12 08:18:07 | 散文うたかたの記
 
 
 
曇り
エアコン27℃→25℃に下げる
外気温と同じ設定は蒸し暑い
盛夏35℃は27℃でも寒かった。
 
ちいさな変化についていけないとき
こころがよわる
折れないだけましと春風駘蕩を装う。
 
馬賊の歌はDNAにしみついた
血縁のない父親の腕につけた深い傷
まじりあった血が新しきDNAを生む
なんと軽やかな歌なんだろう。
 
パネル写真で埋まる海馬
あふれでる映像がダダもれで
防波堤がない。
 
伸びきった足をひきずり歩道をいざる犬
帰り道にはもういなかった
田名の県道は二度と通らない封印の道
ふかい後悔がのこる。
 
 
中野重治は書いた
 
 「歌」
 お前は歌ふな
 お前は赤ままの花やとんぼの羽根を歌ふな
 風のささやきや女の髪の毛の匂ひを歌ふな 
 すべてのひよわなもの
 すべてのうそうそとしたもの
 すべての物憂げなものを撥(はじ)き去れ
 すべての風情を濱斥(ひんせき)せよ
 もつぱら正直のところを
 腹の足しになるところを
 胸先を突き上げて来るぎりぎりのところを歌へ
 たたかれることによつて弾ねかへる歌を
 恥辱の底から勇気をくみ来る歌を
 それらの歌々を
 咽喉をふくらまして厳しい韻律に歌ひ上げよ
 それらの歌々を
 行く行く人々の胸郭にたたきこめ
 
 
鼻くそぽいっとしながら
胸に抱きしめる
マイ、
ダブルスタンダード。
 
 
雨だ
とうとう降ってきた
しなやかにぬらし
かぎりなくあふれろ。
 
 
 
 
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿