睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

晴れたらまた避雷針を数えよう

2019-04-30 07:15:51 | 散文うたかたの記

自然に目が覚めて5時15分
ゆっくり起きあがり緩慢に珈琲を淹れた。

小窓のサンにコーヒーカップを置き
左手に持ったコンソメパンチをポリポリカシャカシャ食らい
おもいだしたように珈琲を飲む
今朝はうす塩よりコンソメ気分
今日の暗い煙突を1枚だけ撮った。

軒下があるサービスバルコニーに出た
なんで雨なのさ、
ぴよぴよ・ちゅんちゅん・かぁーと鳴く鳥やカラスと
路地をほっつきまわる野良にゃんが可哀そうじゃないか。

バカ言っちゃいけないよ
生きとし生けるものに水は天からの授かりもの
そだね
ガーデンチェアにおきっぱの座布団から雫が滴っていた。

低反発なんちゃらの座布団を両手でぎゅっと絞る
授かりものが足を濡らす
ありがたや。

しばらく布団のなかから空を見ていた
灰色一色の空に動きはない
今日はいちにちこんな日なんだ。

非常階段から新宿副都心の林立した高層ビル群がかすかにみえた
東京タワーの先端の細く長い尖塔がおぼろにみえる
ここは東京。

晴れたらまた避雷針を数えよう
100本超でgive upなんてだらしがない
こんどこそたゆまずぜんぶ数えるんだ
ここにいる証しを、
2年11ヶ月を記憶に刻むために来たんじゃないか

痴呆になって文字がよめなくなっても
誰かがきっと憶えていてくれる
誰かがぼくにおしえてくれる。

やっぱノー天気はいいなあ
雨も風も飄々と受けとめて
きょうはきょうの風がふく。

愛しのひらがな。



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