千衣子が好きだった赤いシクラメン
納戸の奥に紺色のセーターが丸まって置いてあった。
これぼくのだ、なんでこんなところに
引っ張り出したときに分かった。
ホコリと一緒に千衣子の毛が舞い上がった。
こころの病を抱えていた千衣子は発作になると
逝った目つきで部屋中を駆け回り、
発作が収まると納戸の片隅にうずくまる。
冬の日は寒かろうと僕が差し入れたんだ。
千衣子が旅立ってからもう4年と4カ月が経ち、
セーターの行方はすっかり忘れていた。
思いがけずひょいと出てくるんだな
わたしを忘れないで...
そう言われているみたいだよ。
忘れないよ、
千衣子のお骨はまだ厚木のマンションにある。
ぼくかツレか先に逝った者が千衣子のお骨と
一緒に墓に入るのだ。
あの世ですぐ千衣子がみつかるように。
うちに来た時は肋骨がすけるほど痩せて
これぼくのだ、なんでこんなところに
引っ張り出したときに分かった。
ホコリと一緒に千衣子の毛が舞い上がった。
こころの病を抱えていた千衣子は発作になると
逝った目つきで部屋中を駆け回り、
発作が収まると納戸の片隅にうずくまる。
冬の日は寒かろうと僕が差し入れたんだ。
千衣子が旅立ってからもう4年と4カ月が経ち、
セーターの行方はすっかり忘れていた。
思いがけずひょいと出てくるんだな
わたしを忘れないで...
そう言われているみたいだよ。
忘れないよ、
千衣子のお骨はまだ厚木のマンションにある。
ぼくかツレか先に逝った者が千衣子のお骨と
一緒に墓に入るのだ。
あの世ですぐ千衣子がみつかるように。
うちに来た時は肋骨がすけるほど痩せて
手足の長さばかり目立っていた
それから3カ月が経ちすっかり落ち着いて
わが家になじんだ千衣子
また明日。
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