睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

千衣子 レクイエム (永遠の安息を)

2018-08-23 10:00:02 | 千衣子(猫) MEMORIAL



この子は千衣子(ちえこ)
たくさんの表情とたくさんの声色を持つ千にひとつの子。
もっとも千衣子らしい画像をセレクトしたらこれになった。
激しき魂と強い眼差しを持つ千衣子。

3年前の今日の夕方、
千衣子は私の腕の中で息を引き取った。
荒い息遣いがおさまり緩慢な呼吸になってすぐに
千衣子はゆっくりと眼を閉じた。

半開きの目と口を閉じ、こんにゃくみたいに力が抜けた
千衣子をツレと代わる代わる抱きしめた。
あれほど抱っこをいやがった千衣子が私の腕のなかで
動かない。

いやがる千衣子を引きずるように動物病院に連れて行った。
適切な治療をすればまだまだ大丈夫と言う医師の言葉を信じ、

さまざまな検査や胸水を抜く辛い治療に耐えてきた千衣子が、
千衣子が死んだ。

これでよかったのか!
後悔で胸がいっぱいになった、
歯を食いしばっても、手のこぶしが震えていた。

苦しみだけを取り除いて死なせたかった。
あふれる涙が千衣子の顔にぽたぽた落ちる。
千衣子に頬ずりしながら涙がとまらない。

ツレが白いバスタオルで赤子をくるむように千衣子を包み、
籐のバスケットに大事そうに収めた。
ぼくはなすすべもなく、
バスケットに眠る千衣子を膝にのせ水を含んだコットンで
千衣子の顔と手足を清めた。それだけで精一杯だった。

ツレは知り合いの畑から小菊と桔梗をもらい、
愛川聖苑に千衣子の火葬の都合を問い合わせていた。
翌日の朝10時に火葬する予定が決まった。

リビングのテーブルにバスケットを置き千衣子の顔の周りに
桔梗をあしらい、残りを白と黄色の小菊で埋め尽くした

少し横を向いた千衣子はこんこんと眠る。

蝋燭を灯し、線香を絶やさず、酒を酌み交わしながら
夜が明け朝陽が昇るまで、ツレとふたりで通夜をした。
少し仮眠をとってから千衣子を抱いて霊園に向かった。

ソファーに腰掛けると無言の時間が流れた。
30分後、係員さんから小さな骨壺をわたされたとき、
片手に乗るあまりにの小ささにほろほろ

千衣子は今もわが家のリビングにいる。
白い骨箱の中に骨壺に一緒に首輪と玩具も入っている。
凛とした千衣子の写真は骨箱前のガラス窓に差した。

千衣子が病を得てから数年はブログを書けなかった。
書きたいことは千衣子のことだけだから。

千衣子存命中にたまにしかブログに載せなかったのは、

昨今の猫ブームに乗じるようでイヤだった。
今思えば、自分のために、たくさん写真をアップして、
たくさんのエピソードを書いておけばよかった。

この記事を書くまでにも3年の月日が必要だった。
大量にある写真の整理を終え、いつか書ける日が来た時,
そのときこそ千衣子と本当のお別れだと思っていた。

この春から信頼できるペット霊園を探している、
いつでも墓参りができて永代供養をしてくれるところ。
ぼくたちの命だって...明日をも知れぬ無常のモノ。

納骨するのは寂しいけど
どこかで区切りをつけなければ
千衣子の魂が永遠の安息を得るために。

Chieko my love....。  

 



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