睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

エセヒッキーの東京暮らし・逢いたくて、逢いたくて

2020-02-16 15:56:48 | ひびつれづれ

エセヒッキーをするなら東京ほどいいところはない。
同じマンションでも顔さえ見えず他人ごとに無関心、
食料品や日用雑貨は大手ネットスーパーで賄えて、
デリバリーはよりどりみどりの充実ぶり。
固定費やその他支払いはクレカと銀行口座まかせ。

耐震構造と防犯等各種設備が整う最新マンションは
隔世の感を覚えるほど住み心地がよい。

スーパーロケーションを持つこのマンションなら
ぼくは1ヶ月でも半年でも籠城できると思うが、
ネックになるのは、人間嫌いの人恋しさ。

あいつとこいつの顔がみたい、酒を酌み交わしたい。
相模川BBQがしたい、オカマちゃんたちは元気か、
キャバクラの飛鳥ちゃんのひざ枕が懐かしい...とか。
際限なく出てきては空しく消える。

オカマの麗ちゃんは真っ赤な唇を突き出してぼくの頬に
ぶちゅっとする。必死で逃げ回るなかに楽しさがある。
ぼくは彼等が羨ましい。
自分に正直に生きることは何よりも難しいことだから。

ぼくも理性などかなぐり捨てて激情に走りたくて
悶々とした昔がある、選択の連続だったころ、
修羅場を越え前を向いたらもうその人はいなかつた。
せつない笑い話になった。

ふと逢いたいなぁと思うのは、いまや泉下の住人と、
ひと癖もふた癖もある一筋縄ではいかない奴らばかり、
軽い遊び友達や顔見知りにそんな感情は湧かない。
人間味を知るか知らないかの違いかも知れない。

一途な人や何かに打ち込む人の背中に触りたい、
その気をすこしでいい、分けておくれ、
ぼくの息をひそめる蛍火にかざしてみたいんだ。



甘酒のんで
お汁粉たべて
存分な一日だった。

また明日。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿