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厚い雲に覆われた今朝の空
東南の一角を切り裂くようにもれる朝陽
2010/10/25 am5:40
心の鈴が鳴るとき
「サンダカン八番娼館」 著作:山崎明子
かなり前に読んだ本なのでうろ覚えですが、とても印象的なシーンがある。
この本の主人公はボルネオ帰りの年老いた元娼婦です。
山崎さんは女性史の取材のため自分の身分を隠し主人公の元を訪れた。
主人公は戦争中の厳しい生活の口減らしのために身体を売り、
あげく未開の地ボルネオへと流れ着いた。
さんざん辛酸をなめ、身をけずり、稼いだ金は本国の親兄弟に
仕送りをした。
年老いて村に帰れば、親兄弟は彼女が送った金で家を建て
悠々自適の暮らしぶり、ボルネオ帰りの彼女は住む所もない。
村のはずれの廃屋同然のアバラ屋で、施しを受けながらの
生活が、主人公が夢にまで憧れた「ふるさと」の姿だった。
赤貧生活を共にする山崎さんの意図を察した主人公は、
聞くともなしにボルネオ時代のことを話して聞かせた。
居候生活が終わりに近づいたころ、山崎さんはかねて
不審に思っていたことを訊ねた。
「どうして私の素性を聞かないんですか?」
「人は、しゃべってもいいことは、聞かなくっても自分からしゃべるもんだ」
「しゃべらないのは、聞かれたくないということだ」
「おまえさんが聞かれたくないことを、なんでワシがおまえに聞けるんだ」
山崎さんは泣いたそうだ。
私の心の鈴は今もずっと鳴っている。
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必然と思える偶然
「五体投地」 著作:市井の私人
五体投地(ごたいとうち)とは両手・両膝・額の五体で地面に伏し、
仏像や高僧などを礼拝すること。仏教の最上級の礼拝とされる。
本棚にある句文集「五体投地」は古本屋で買ったもの。
題名の「五体投地」に惹かれ中身も見ずに買ったものだが、
手元にきたのが偶然とは思えないほど大事な本になった。
著者は昭和62年にN自動車を定年退職された方です。
その際に多くの方から戴いた餞別のお礼として句文集の
自費出版をされた。
赤の綾織りの布表紙が白いセロファンのカバーに包まれ
堅紙のケースに収まっている。そう年代物の書籍とよべる
作者の思い入れを感じさせる装幀です。
表紙をめくると『謹呈』と書かれた小片が挟んであり、
ページをめくると手垢すらついてない。
読んだ形跡の無い本は古本屋の棚で哀れ。
俳句もいいが、全124頁の半分を占める紀行文と
随筆に、この方の才能が煌めいている。
会社勤めをしながら、ここまで余技を精進されるのは
並大抵のことでは無いと敬服した。
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母なるガンジスを見つめて
「深い河」 著作:遠藤周作
怜悧な宗教家(基督教)であり純文学の孤高が遠藤周作なら、
洒落て人間臭いオッチャンが狐狸庵先生。
この二つの名前を持つことが遠藤周作の生きる智恵であり
「人生ならざる処や人生」たるゆえんかもしれない。
「深い河」は母なるガンジスの河畔に生と死を見つめる人々が集い
悠久に流れる河のほとりにたたずみ、己の中の神と向き合う物語。
「信仰とは99%の疑いと1%の希望」と彼は言う。
今夜はギリギリセーフ。。
サンダカン八番娼館を見つけ今夜は眠れない夜も充実しそうな気配が。。
《堕落論》《日本人とユダヤ人》共に 通勤途中のこの書店では扱わないとのこと。。
またまた時間をつくって大きな書店を巡って、私自身の実りある秋の夜長に出来れば幸いです。。
読みたいのに
時間がない~と自言自語するのは無理をしなかったから。。
読みたければ、
周りに迷惑掛けずに無理するのも大切なコト。。
働く為に生きるのでなく。。
先ず生きる為に
働き、子育てして、自分磨きのオマケを付けて。。
目指す御本を探偵の如く探すのも‥素敵な時間。。
♪感謝♪
今夜はギリギリセーフ。。
サンダカン八番娼館を見つけ今夜は眠れない夜も充実しそうな気配が。。
《堕落論》《日本人とユダヤ人》共に 通勤途中のこの書店では扱わないとのこと。。
またまた時間をつくって大きな書店を巡って、私自身の実りある秋の夜長に出来れば幸いです。。
読みたいのに
時間がない~と自言自語するのは無理をしなかったから。。
読みたければ、
周りに迷惑掛けずに無理するのも大切なコト。。
働く為に生きるのでなく。。
先ず生きる為に
働き、子育てして、自分磨きのオマケを付けて。。
目指す御本を探偵の如く探すのも‥素敵な時間。。
♪感謝♪