道総研さけます・内水面水試は、このほど今年の本道沿岸における秋サケの来遊(河川そ上も含む)が前年実績に比べ13%増の1,990万尾と予測した。
6月19日開催の道連合海区漁業調整委員会(安藤善則会長)で発表される予定だったが、新型コロナウイルス感染防止対策で書面での議決となった。同委員会では「令和2年度さけ・ます人工ふ化放流計画」の諮問に対し原案通り道知事に答申した。
同水試さけます資源部が発表した資料によると、令和元年度の本道への秋サケ来遊は、1,756万尾と前年度比76%にとどまり、平成以降最も少なかった平成29年(1,737万尾)に次ぐ少ない量となった。予測に対する実績は57%で、予測を大きく下回った理由は、近年のシブリングの関係(同じ年生まれの3(4)年魚の数に対する4(5)年魚の数の関係)が大きく変化したことによるが、その原因は明らかになっていない。
年齢別の来遊数は、4年魚(平成27年生まれ)は878万尾で平成以降2番目に少ない一方で、3年魚(平成28年生まれ)は280万尾と平成以降で9番目に多い値だった。
時期別では、前期が908万尾(前年対比104%)、中期が736万尾(同60%)、後期が113万尾(同53%)と、中後期が前年を下回った。
令和元年の平均目回りは3.32㎏で、前年の3.04㎏から増加し、過去10ヵ年の平均値の93%まで回復した。
各海区への来遊状況は、日本海を除き前年を下回った。年齢別では来遊の主群である4年魚、5年魚が少なく、各海区とも過去10ヵ年では1番目から3番目に少ない来遊数だった。ただし日本海の4年魚だけは過去10ヵ年の平均的な来遊数となった。3年魚はオホーツク、えりも以西、日本海で過去10ヵ年において1番目または2番目に多い来遊数となった。
今年の来遊予測は、昨年同様シブリング法を基本に行ったが、最近は実際の来遊数が予測を下回る場合が多く、今年の予測ではできるだけ最近のデータを使うとともに、過去3年間における予測値からの外れ度合い(下振れの程度)を考慮して予測値を算出したとしている。
今年の全道来遊数は1,990万3千尾と予測され、地区別の予測値は次の通り。カッコ内は前年来遊数と前年比。
【オホーツク】▷東部=5,100千尾(4,514千尾、113.0%)▷中部=2,579千尾(2,379千尾、108.4%)▷西部=2,193千尾(1,720千尾、127.5%)▷小計=9,872千尾(8,614千尾、114.6%)
【根室】▷北部=1,754千尾(2,061千尾、85,1%)▷南部=847千尾(782千尾、108.3%)▷小計=2,601千尾(2,843千尾、91.5%)
【えりも以東】▷東部=407千尾(487千尾、83.5%)▷西部=845千尾(923千尾、91.6%)▷小計=1,252千尾(1,410千尾、88.8%)
【えりも以西】▷日高=1,519千尾(1,277千尾、119.0%)▷胆振=744千尾(699千尾、106.5%)▷噴火湾=648千尾(520千尾、124.7%)▷道南=437千尾(241千尾、180.9%)▷小計=3,348千尾(2,737千尾、122.3%)
【日本海】▷北部=886千尾(719千尾、123.4%)▷中部=995千尾(761千尾、130.7%)▷南部=950千尾(478千尾、198.8%)▷小計=2,831千尾(1,957千尾、144.6%)
【道総計】19,903千尾(17,560千尾、113.3%)