水産北海道ブログ

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サンマ11月末 全国2万㌧割る大不漁 道内1万1千㌧と前年を上回り、単価も上昇

2021-12-07 15:49:34 | ニュース

 11月の道東サンマ漁は、ついに沿岸、沖合に漁場を形成せず、道内港への水揚げはほぼ終漁した。

 漁業情報せービスセンターによると、11月のサンマ漁獲量は8,400㌧で前年の60%にとどまった。平均㎏単価は609円と前年の1.5倍に上昇した。

 8月〜11月のシーズンを通しての水揚げ量は1万7,200㌧で。前年の66%。単価は㎏624円と3割アップ。

 10月の低迷に比べると、11月は漁獲が向上したが、南下群の出現が早く、台風、低気圧の影響で魚群のまとまりに欠けた。10月下旬の出現した新たな南下群が11月の水揚げ向上を支え、10月の2倍の水揚げにつながり、1日1000㌧超えも③日間を数えた。魚体も130グラム以上が5〜6割を占めた。12月の常磐海域での漁獲しだいだが、過去5年間で平均2千㌧程度の水揚げにとどまっているため、2万㌧を切る過去最低となる公算が大きい。

 道内の水揚げは11月が4,195㌧と前年の25%増、単価は565円と64%増となった。このうち、花咲に3,684㌧、厚岸に511㌧が水揚げされた。花咲の水揚げは前年の2倍に近く、単価も569円と前年の6割アップに上昇した。

 この結果、本道へのシーズンを通じての水揚げは、1万1,240㌧と前年を7%上回り、単価も587円と8%上回った。

 漁業情報サービスセンターがとりまとめたサンマ中短期漁場予報によると、12月上旬から同下旬までの来遊量は、道東海域が終漁、三陸海域では12月上旬の来遊量は低位水準。常磐海域では12月上旬は低位水準だが、来遊があるとしている。

 11月中旬の漁況の経過は、前年同様に道東海域には漁場は形成されず、東側の公海が主漁場となった。三陸海域でも前年同様、漁場は形成されず、来遊量も極めて少ないが、東方で一時的に漁場が形成された。


道南太平洋沿岸スケソウ漁(11月末) 累計で約8千㌧・前年比1.6倍、11月が5千㌧超

2021-12-07 15:44:53 | ニュース

 道南太平洋沿岸のスケソウ漁業は、極端な不漁だった前年より漁獲が上向き、11月末で5割増となっているが、平年作に比べるとまだ少なく、12月、1月の水揚げが期待される。

 道水産林務部漁業管理課によると、10月1日から解禁した道南太平洋沿岸のスケソウ刺し網は11月末現在の累計(速報値)で7,767㌧と前年同期の153.4%。その他の漁業を加えると、累計で9,483㌧。スケソウ漁業のTAC消化率は16.7%、海域TAC消化率は14.8%となっている。

スケソウ漁業は10月分が2,305㌧(その他を含め2,424㌧)、11月分が5,461㌧(同5,529㌧)と前年よりそれぞれ30%、66%上回っている。

 管内別にみると、渡島の刺し網が累計で4,219㌧(その他含め4,372㌧)、胆振の刺し網が3,548㌧(同3,628㌧)、日高の刺し網は漁期前(同1,483㌧)となっている。


道南太平洋スケソウ産卵来遊群の調査結果(第2次) 鹿部沖~苫小牧沖で強い魚探反応、前年の不漁挽回か

2021-12-07 15:43:36 | ニュース

 道総研函館水試は、道南太平洋海域に来遊するスケソウ産卵群の分布を調べた結果(第2次)、「前年同期を大きく上回る」魚探反応があったことを発表した。主力のスケソウ刺し網が前年記録的な不漁だっただけに、今シーズンの挽回が期待される。

 この調査は、11月16~18日函館水試調査船「金星丸」、釧路水試「北辰丸」が道南太平洋の水深100~600mの海域で行った。調査結果のポイントは次の通り。

①スケソウの海域平均反応量は、前年同期を大きく上回った。

②魚群反応の比較的強い海域は鹿部沖~苫小牧沖。

③スケソウ成魚とみられる魚群反応は、水深450~550mにかけて強くみられた(魚群は海底よりやや離れた深度400m付近が中心)。

④水温は、渡島沖、胆振沖ともに平年よりもやや高かった。

 渡島から胆振にかけての平均反応量は、前年同期を大きく上回り、調査を開始した2001年度以降では、2009、2007、2013年度に続き4番目に高い値となった。魚群反応が強かった鹿部沖~登別沖では、水深450~550m付近にまとまった反応がみられたが、魚群は海底から離れて浮いており(深度350~450m付近)、海底に着いた反応は水深400~450m付近にみられただけだった。ただし、苫小牧沖では、水深400~500mにかけて海底に着いた強い反応がみられた。また、今後の漁獲物は尾叉長40cm前後が主体と考えられる。次回の調査は年明け後の1月中旬を予定している。


道内スルメイカ漁獲動向(11月末) 羅臼が11月700㌧を水揚げ、低調な中でも前年を上回る

2021-12-07 15:35:35 | ニュース

 今シーズンの生鮮スルメイカ漁は、全国で約1万5千㌧(1〜11月)と不漁だった昨年から半減し、過去最低の漁獲量にとどまっている。道内の沿岸漁獲も低調に推移しているが、11月に羅臼で700㌧が水揚げされ、累計で1千㌧を突破した。

 漁業情報サービスセンターによると、11月の全国生鮮スルメイカ漁獲量は約1,897㌧・平均㎏単価675円。1〜11月の累計では1万4574㌧平均㎏単価は623円。前年同期に比べ数量52%、価格115%となっている。

 一方、道内の水揚げは、11月の漁獲量が839㌧・平均㎏単価737円。累計では3,454㌧・641円で前年同期に比べ数量115%、価格102%となっている。これは日本海、道東太平洋、オホーツク海と11月の漁獲が振るわなかったのに対し、羅臼が700㌧の好漁となり、価格も704円と高値だったことによる。羅臼はかつての3万㌧にはまったく及ばないが、累計では1,076㌧・666円と道内で唯一1千㌧を突破。前年同期に比べ数量で5.3倍、価格も1割増と好調だった。

 羅臼以外の産地では、苫小牧、室蘭、花咲が累計で300㌧以上、網走、小樽が200㌧以上の漁獲となっている。


桧山地域ニシン資源増大対策の継続を要望 6年間の効果を踏まえ道補助の3年間延長を

2021-12-07 15:33:10 | ニュース

 桧山管内水産振興対策協議(会長・工藤昇上ノ国町長)の代表が12月2日、道庁を訪れ、佐藤卓也水産林務部長に道補助によるニシン資源増大対策(稚魚放流の補助)の継続を要望した。

 陳情に訪れたあのは、工藤上ノ国町長と同協議会副会長の工藤幸博ひやま漁協代表理事組合長で、桧山地域選出の内田尊之道議が同行した。

 工藤町長は「桧山のニシンは間違いなく増えている。ちょうど道の補助事業が3年経過したので、継続して頂きたい。ニシンの単価は安いが、群来がみられ浜に活気が出る。当面、3年間の継続をお願いする」、工藤組合長は「6年間、稚魚放流をやってきたが、あと3年で9年になる。10年をメドにやれば必ず結果が出る。道の補助がなければ、100万尾の放流は難しいので、何とか継続してもらい、その後は漁業者自らが親魚を確保し、資源増大につなげたい」と要望した。

 佐藤部長は「日本海のニシンは美味しい魚で、増やす必要がある。日本海北部のニシンも平成8年から25年間、放流して昨年やっと4千㌧まで増え、地道な種苗放流が支えた。あとは付加価値をつけることが大事で、美味しさを反映した価格形成をぜひ実現したい」と答えた。

 桧山では平成24年から27年まで地域で生産した種苗は約29万尾に達し、28年からは道の支援で100万尾の種苗生産体制が実現し、各種の調査試験を実施している。桧山南部沿岸で天然稚魚が発見され、29年には104年ぶりの群来が確認、令和2年3月には海面が白濁する群来の現象がみられた。ニシンの漁獲量は19年に45㎏、26年に240㎏、30年に3140㎏、令和3年には7,210㎏と毎年確実に増加している。