水産北海道ブログ

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令和7年第1回道議会一般質問 洋上風力、陸上養殖、ホタテ採苗不振、スマート水産業

2025-03-09 14:06:25 | ニュース
エゾバフンウニ陸上養殖試験の測定作業の様子

 令和7年第1回定例道議会は、3月3日から6日まで本会議で一般質問が行われ、水産関係では洋上風力発電、陸上養殖、ホタテ貝採苗不振、スマート水産業などをめぐり議論を交わした。
 前田一男道議(自民党・道民会議、渡島地域)が採算面で課題のある洋上風力発電について電気料金の道民の影響を質問し、鈴木直道知事は「公募の第2ラウンドから導入されたFIP制度は再エネの自立化と導入促進につながる。国は事業計画が確実に完遂できるよう公募ルールの改定を進めている」と答えた。
 板谷よしひさ道議(自民党・道民会議、苫小牧市)は各地で着手されている陸上養殖への取り組みを質問し、生田泰森と海の未来づくり推進監が「自然環境の影響を受けにくい陸上養殖は注目されているが、採算性の確保が課題となる。道はウニを対象にした実証試験を行いながら総合的な検討を進めている」と答えた。また、毛ガニ資源の適切な管理について道の対応を質した。
 佐々木大介道議(自民党・道民会議、石狩地域)が全道的なホタテ貝の採苗不振への対応、漁業者への支援について道の考えを質した。鈴木知事は「採苗を行うタイミングを適確に判断するため海洋環境のモニタリング、情報提供の充実・強化、採苗リスクを低減させる対策、採苗技術の指導強化に取り組む。漁業者の安定経営に向け低利な漁業振興資金の活用を促す」と述べた。
 村田憲俊道議(自民党・道民会議、後志地域)がスマート水産業の推進にスピード感をもって取り組むよう道の所見を聞いた。鈴木知事は「漁業者がスマート技術の理解を深める体験会や機械メーカーと意見交換を行うマッチングフェアを開催するとともに、国の事業を活用して地域に適した機器の導入を支援する」と答えた。また、ブルーカーボンの積極的な推進を求めた。

2025年1月の北海道貿易概況・農水産物の輸出入動向 輸出入とも活況、ホタテ貝の米国向け輸出が著しい伸び

2025-03-09 14:02:47 | ニュース

 函館税関がこのほどまとめた道外国貿易概況(速報)によると、水産物(魚介類・同調整品)の輸出は6か月連続のプラスで、約49億円と前年同期の2.8倍に拡大した。増加額は31億円余で、主な増加品目のホタテ貝など「甲殻類・軟体動物」は41億円余と、米国(約21億円)向けなどが伸びた。
 水産物の輸出は、2,937㌧(前年同月比153.6%)・48億5,500万円(同2.8倍)。「甲殻類・軟体動物」が1,239㌧(同154.3%)・41億3,300万円(4.9倍)で、米国が20億5,500万円(同6.6倍)、ASEANが10億7,500万円(同6.2倍)、西欧が3億6,300万円(全増)と大幅に伸び、そのほかタラ、サケも増えた。
 水産物の輸入は、5,644㌧(同122.4%)・64億6,900万円(同128%)。主な品目ではサケ・マスが1,166㌧(同2.4倍)・10億1,100万円(同2.1倍)、イカが363㌧(同128%)・4億3,800万円(同2.4倍)、ウニが969㌧(同112.9%)・15億800万円(同122.3%)と伸びている。
 農林水産省輸出・国際局国際経済課が財務省貿易統計から抽出した農林水産物・食品の輸出額は約954億円と前年同月比10.4%増、輸入額は約1兆1,366億円と同16.2%増だった。このうち、水産物の輸出は238億円と同16.6%増、輸入は1,898億円と同17.3%増となっている。
 輸出の主な品目は、ホタテ貝(生鮮・冷蔵・冷凍)が58億1,800万円と115.2%増。ブリが35億6,700万円で21.7%増と伸びた一方、水産調整品(ナマコ、ホタテ貝など)は34億8,800万円と42.3%減少した。ホタテ貝は31億円増加し、米国、タイ、ベトナムが伸びた。ホタテ貝の調整品は10億円減少し、香港、シンガポール、台湾が減った。

2025年第5回日本海ニシン漁獲速報(2月末) 1,173㌧と前年比6割減、主産地が失速か? 石狩は本所に偏り、厚田、小樽も大型魚中心

2025-03-09 14:00:01 | ニュース

 日本海沿岸のニシン漁は2月末の累計がほぼ1,200㌧と前年同期の6割減の不漁となっている。主産地の石狩湾漁協の厚田支所、後志北部の小樽市漁協が前年比4割の水揚げにとどまっており、この失速から3月になって上向くのか疑問視する声も出ている。
 道水産林務部成長産業課普及指導員のまとめによると、2月28日現在の日本海沿岸(稚内市〜上ノ国町)の刺し網、定置網で漁獲されたニシンは後志北部、石狩、留萌、宗谷を合わせて1,173㌧で、前年同期の2,821㌧に比べ42%にとどまっている。後志北部は270㌧、そのうち余市郡漁協で68㌧、小樽市漁協で201㌧、石狩湾は904㌧、そのうち石狩本所534㌧、厚田支所328㌧、浜益支所42㌧、留萌の増毛漁協で3㌧となっている。特に石狩が前年同期の45%と振るわず、石狩本所に比べ、厚田、浜益支所が少ない。後志北部も43%にとどまっている。そのほか後志南部で91㌧(寿都町90㌧)、桧山で3㌧が報告されている。
 道総研中央水産試験場が3月に実施した漁獲物調査によると、3月5日は厚田地区で数日ぶりの水揚げとなり、銘柄「メス」、「オス特大」、「オス大」から「オス大中」までが出荷された。「メス」の標本44 尾中「熟度30」の個体が10 尾(23%)、「熟度40」は34尾(77%)。平均卵巣重量(最小〜最大)は100.9 g(42.5〜132.8 g)。尾叉長は31〜32 cm 台の個体が多く、体重は390 g を中心に300〜479 g が多かった。また、3月6日に小樽市漁協で水揚げされたニシンはサイズの大きい「1 番」の漁獲は無く、「2番」の漁獲が25 箱、そして「3番」の漁獲が2箱だった。銘柄「2 番」の標本45 尾中、オスが24 尾、メスが21 尾。「熟度30」の個体が12 尾(57%)で、「熟度40」が9 個体(43%)。平均卵巣重量(最小〜最大)は103.7 g(57.6〜168.9 g)。尾叉長31〜32 cm 台の個体が多く(図1)、体重360〜389 g の大型個体が中心だった。