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水産政策の改革に基づく「漁獲証明制度」創設へ 漁協が認証機関となり密漁ナマコ、アワビを排除

2020-06-29 16:28:29 | ニュース

 反社会的勢力によるナマコやアワビの密漁、IUU(違法・無報告・無規制)漁業の横行から水産物流通を守ろうと、水産庁はトレーサビリティーの出発点となる「漁獲証明」の法制度整備を進める検討会を昨年9月から設置し、濱田武士北海学園大教授を座長に専門家による検討を重ねてきたが、19日に第7回目の会合を開き、最終的な取りまとめを行い制度の創設を提言した。

 この検討は、水産庁が進める「水産政策の改革」に伴い資源管理の徹底、IUU漁業の撲滅、輸出促進の観点から「漁獲証明」の制度を整備するため、実効性のあるシステムが構築されるよう幅広い関係者から意見を聞いた。本道からは座長の濱田教授のほか、道漁連の本間靖敏常務、道水産林務部の竹内賢一水産食品担当課長が検討委員として参画した。

 今年12月に施行される改正漁業法では、特定水産物の密漁に対し禁固3年以下、罰金3千万円以下という従来に比べ大幅に罰則が強化されるが、漁獲証明制度によって生産段階だけでなく、流通段階において違法漁獲物の混入が防止される。

 漁獲証明制度は、国から登録を受けた法人(登録証明機関)が漁業関係法令に基づいて適正な採捕が行われた漁獲物であることを証明する仕組み。登録証明機関が魚種、採捕者、漁獲水域、水揚げ港、漁獲量、漁獲日などを確認し、漁獲証明の内容を記録する。漁獲証明の表示は、採捕者から販売事業者に至るまで食品表示法の仕組みを活用し①魚種②産地③登録証明機関による証明を表示する。登録証明機関は、基本的に漁協を想定しているが、産地市場の開設者、漁港管理者、一次買受業者なども可能とする。

 対象となる水産物は、国内で違法漁獲の恐れが大きい水産動植物(指定水産動植物)で、本道でも高額で組織的かつ悪質な密漁が摘発されるナマコ、アワビが想定される。採捕者から申請された漁獲ごとに番号(漁獲証明番号)を発行する 

 今回は制度を支える「監督措置」も設けられ、登録証明機関、採捕者、取扱業者に対し報告の徴求や改善命令などができるよう提言している。早ければ秋の臨時国会に関係法案を提出する予定。



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