太平洋小型さけ・ます漁業協会は、20日午後2時から札幌市第2水産ビル会議室で、平成31年度通常総会を開催し、30年度事業報告・収支決算、31年度事業計画・収支予算案を審議し原案通り承認したほか、松浦克也会長代行(根室漁協)を会長に選出した。任期は来年の総会(役員改選)まで。
開会に当たり、松浦会長代行が「昨年のサケ・マス流し網漁は、三陸沖の暖水塊の影響を受け、例年より沖合の漁場の水温上昇が早く、漁場形成が不安定な状態となった。適水帯の消滅により、トキサケがかつてない低調な漁に終わった。期待されたマスの来遊も盛り上がりに欠け、漁獲量は前年の1,273㌧に比べ813㌧という未曾有の不漁で苦しい経営を余儀なくされた。今年の交渉はモスクワで開催されるが、日程が決まっていない。国に対し、漁獲割当量の前年並みの確保、協力費の軽減を柱に4月10日に出漁できるよう強く求める」と挨拶した。
来賓の谷内和人道水産林務部漁業管理課国際担当課長が「昨年は過去20年間で最も低い漁獲金額(4億4千万円)で、たいへん厳しい漁業経営を強いられた。2月5日には松浦会長代行、川崎一好道水産会会長とともに、吉川貴盛農林水産大臣をはじめ水産庁、外務省、道内選出国会議員に漁業協力費の軽減に向けた粘り強い交渉、国の支援拡充を要請した。3月開催を外務省が申し入れているが、ロシア側から回答がない。長い歴史を持つサケ・マス流し網漁業が操業機会を逸することがないよう道として支えたい」と挨拶した。
総会は、予算決算の議案を原案通り承認したが、トン数階層の見直しについては、現行14㌧未満を19㌧未満に引き上げる要望を受け、各地区の意見集約を行った。その結果、会員の6割が反対しており、いったん様々な意見を受けとめ、今回は結論を見送る運びとなった。