コットンウェイの道端から

真岡鐵道を中心に、広く交通に関するトピックスをお届けしたいと思います

[路線バス]県内JRバスの動向

2011-02-10 23:42:00 | 路線バス
以前の記事で、「JRバス・常野線廃止か?」という記事を書きましたが、正式に廃止が公表されました。廃止となるのは、那須烏山市のJR烏山駅から那珂川町健武までの常野線全線21.1km。本年度いっぱいで廃止となり、4月1日からは那珂川町が主体となって代替バスの運行を開始するとのことです。


常野線の利用者は年間4.2万人(09年度)で、主に高校生や小学生が通学に利用しているそうです。しかし、少子化やそれに伴う高校の統廃合で利用者は減少傾向にあり、今後も増加は見込めないことからJRバスとしても手を引いたようです。しかしながら、地域の基幹交通を失うデメリットは大きいため、デマンド型交通への切り替えではなく路線は存続となりました。代替バスの運行区間は馬頭寄りが若干短くなるものの、運賃上限を現在より抑えて、これまでとほぼ同じ頻度・停留所で運行をする計画だそうです。(下野新聞記事を参考)



さて、上の写真は茂木町内を走るJRバスですが、常野線が廃止となると、次に動向が気になるのは水都西線の祖母井―茂木間ですね。宇都宮市内と清原台団地、祖母井、茂木を結ぶ水都西線は、宇都宮近郊に比べ末端部での利用が極端に少ないのが現状です。特に宇都宮市内の私立高校がスクールバスを出すようになってからは衰退が顕著で、現在、祖母井―茂木間の運行本数は1日たったの5.5往復です。


同区間の主な利用者は、市貝、茂木町内の小学生で、その他に高校生や高齢者が少々といったところでしょうか。また、この路線の特異な現状として、茂木町内のツインリンクもてぎイベント開催時の多客輸送があります。JR宇都宮駅と同サーキットを結ぶ主要公共交通として、年数回臨時便を出して対応しています。しかし、昨今の経済不況によるインディジャパン(同サーキットのメインイベントの1つ)の今年限りでの終了も報じられるなど、将来的には不透明感があります。


利用実態を踏まえ、JRバスは数年前に廃止を沿線自治体に申し入れましたが反対され、現在は自治体からの補助で運行が維持されている状況だそうです。今回の問題区間が通る市貝、茂木町には、他の公共交通として真岡、茨城方面に抜ける真岡鐵道がありますが、県都宇都宮方面への交通はバスしかありません。道路では、r69の芳賀・市貝バイパスの開通が待たれるなど県都との結びつきが強くなる一方で、公共交通が寸断される事態は避けなければならないので、この路線の維持、進展は必要だと思います。今後開通する前述のバイパスを使って速達性を上げるとか、廃止やむなしとなった場合でも、市塙駅までは残し真岡鐵道と接続するようにするとか柔軟な発想で足を残してほしいですね。