猪突猛進 鈴木研究室へようこそ

関西医療大学大学院 教授である鈴木俊明研究室の紹介や鈴木が日頃考えている教育・臨床・研究への思いを熱く語ります。

2016年10月23日 (日) 講演「ジストニアと鍼治療」

2016-10-11 17:10:29 | 日記
10月23日(日)に我々が行なっている「ジストニアと鍼治療」についての講演・実技を谷先生
おこないます。
今回の講演を通して全国でジストニア患者さんの鍼治療が展開していただくことを期待します。

鍼灸師の皆さん 是非おいでください。また、東洋医学に興味のある医療従事者のみなさんにも満足いただける内容です。宜しくお願い致します。


下記は紹介文書です。
会場: ウェルネス教育研修センター
講師: 鈴木俊明先生(関西医療大学大学院 研究副科長)
谷 万喜子先生(関西医療大学大学院 保健医療学研究科 鍼灸師 医学博士

今回のセミナーでは、筋緊張異常をはじめとする一次的障害に関しては東洋医学の考え方である経絡を考慮した、遠隔部の経穴を用いる循経取穴の方法をご紹介頂きます。また、皮膚や筋の短縮といった二次的障害に対しては、小児鍼の一つである集毛鍼を用いた治療方法をご紹介頂きます。
また、ジストニア患者様の評価としては、一次的障害と二次的障害を見極めて評価を行うだけでなく、問題となる動作観察・分析を行うことが重要であると報告されています。例えば、頸部ジストニア患者様であれば頸部の異常姿勢だけでなく、体幹や下肢の問題が頸部症状に影響していることも多く、頸部へのアプローチだけでは治療効果の持続は期待できないと考えられています。一部分の異常姿勢・動作だけを問題として診るのではなく、全身の姿勢・動作観察を行い、問題点の関連性を把握することで効果的な治療選択を行うことが可能となります。
そこで、今回は脳卒中リハビリテーション、体幹機能・筋緊張コントロールにおける大家であり、著明な研究者である鈴木俊明先生とジストニアに関する研究活動や難渋症例に対する鍼治療を数多く経験されている谷万喜子先生にお越し頂きます。
鈴木先生・谷先生はおよそ二十年に渡り、表面筋電図や誘発筋電図を用いた研究活動を行われ、新たな鍼治療と運動療法を融合した治療法を考案されております。臨床のみならず、研究・教育も『理学療法と鍼灸の融合』というコンセプトで行われ、海外文献も多数発表、海外からの評価も高く、学会発表では治療効果や鍼治療の可能性を数多く報告されております。
今回は、書籍『The Acupuncture for Dystonia-ジストニアと鍼治療-』に報告されている内容と各障害に対するアプローチについて展開して頂きます。また、書籍にはまだ反映されていない最新の知見や臨床報告なども含めてご講義して頂きます。
西洋医学的な臨床症状評価と神経学的・表面筋電図学的評価、さらには東洋医学的な見解から鍼治療方法を考察できる、基礎知識から臨床応用まで深く学べる内容となっております。また、『治せるセラピスト』になるために、鍼灸治療の中でも重要な姿勢・動作分析についても熱く語って頂きます。

本日は徳島県士会の講習会講師でした。ありがとうございました。

2016-10-09 20:23:51 | 日記
本日は徳島県士会の研修会 講師でした。体幹機能に関する話を4時間してまいりました。
最後は、早いスピードで話しましたので、理解いただけたか心配になりましたが、熱く最後まで話をさせていただきました。
多くの方が初めて話を聞いていただいたようでしたが、いかがでしたでしょうか?
アンケートでは多くの方々が満足されていたようでしたので安心しました。

明日はワークシフト主催「筋緊張検査とそのアプローチ」で三重県です。頑張りたいと思います。

宜しくお願い致します。


2017年1月塾のご案内 脳血管障害者の歩行障害と介入の再考

2016-10-09 07:51:33 | 日記
2017年1月塾のご案内ができるようになりました
参加希望の方はお早めにお申込みください。


昨年、一昨年の1月塾は、片麻痺の運動障害を運動学的に解釈するという斬新な内容に取り組みました。今年は脳血管障害者の歩行について検討したいと思います。
脳血管障害者の歩行障害への介入は理学療法士にとって「核」になる部分です。しかし、その解釈、介入方法は個人レベルで相違があるように思います。私たちは十分な分析と根拠をもって、歩行障害に介入できているでしょうか? 
この課題について考えることによって、脳血管障害者の歩行に対する治療戦略の糸口が必ず見えてきます。

日時    2017年1月9日(月、祝) 10:00~16:30 (受付 9:30)
会場    A&Hホール   千里朝日阪急ビル低層4F 
(地下鉄御堂筋線・大阪モノレール 千里中央駅すぐ)
内容    10:00~12:00  「私は“運動療法では下肢装具を外せ”と言いたい」
鈴木 俊明 (関西医療大学大学院)
12:50~14:50  「私は“片麻痺歩行”とは言わない」                    
吉尾 雅春 (千里リハビリテーション病院)
15:00~16:30  シンポジウム  「脳血管障害者の歩行障害と介入」
              司会  松田淳子(大阪行岡医療大学)

参加費   2000円 (当日受付)  学生無料
定員    130名 (先着)
主催    1月塾
申込み  氏名、所属、職種、連絡可能な住所、電話、メールアドレスを明記の上、
下記アドレスにお申込みください。
     メールのタイトルに「1月塾参加希望」とお書きください。
       Ichigatsujuku.ysm@gmail.com
問い合わせ: 大阪行岡医療大学 松田淳子   TEL 072-621-0881


また、今回 1月塾のホームページを作成しました。是非ご覧ください。
http://www.grade-a1.com/1gatu/

動画「動作分析シリース」の第8巻「立位での側方移動 その1」

2016-10-08 18:35:12 | 日記
動画「動作分析シリース」の第8巻「立位での側方移動 その1」が本日、スポーツ医学サイトMMSSMにアップされました。

全10巻を予定しています。価格は1,000円(税別)です。

詳細はMMSSM ホームページ http://www.mmssm.jp/ をご覧ください。

このような機会をいただけ流ことに感謝しています。

セラピストは動作解釈ができないといけない。医師から信頼されるセラピストとは!!

2016-10-04 23:44:20 | 日記
先日のある医師(リハビリテーション科医、神経内科医)との会話です。
講演会、学会で私と医師で司会、座長をした時の話です。

運動療法をして、運動療法前には下肢装具装着であったものが、装具外せるようになった。その要因が、脳機能が改善したからである。

まず、運動療法後の装具を装着しない歩行は、足関節底屈位で膝関節は過伸展位である。ビデオをみていて、怖い、これでは明らかに関節炎を引き起こす。装具を外せたのではなく、勝手に外したわけです。

そして、その効果(??)が脳機能が改善したという短絡的な考察。考えの中に、機能障害レベルの考察が全くないという始末です。

医師は「セラピストはこれを言い出すと信用できないんだよね。鈴木先生、やはり正しい教育ですよ。」といわれました。本当です。

私は誘発筋電図を用いて脊髄神経機能の興奮性を検討しています。例えば、運動療法を行なって改善したとしても、脊髄神経機能が改善したとは怖くて言えません。

私の昔の研究で、脳血管障害片麻痺患者の持続的筋伸張における脊髄神経機能の興奮性を検討した論文があります。

Characteristics of F-wave in different stretched position of the affected arm in patients with cerebrovascular diseases. Electromyogr and Clinical Neurophysiol 43:97-101,2003

Effect of continued stretching of the affected arm in patients with cerebrovascular disease by examining H-reflex characteristics. Electromyogr and Clinical Neurophysiol 43:51-56,2003

Characteristic appearance of the H-reflex and F-wave with increased stimulus intensity in patients with cerebrovascular disease. Electromyogr and Clinical Neurophysiol 42:67-70,2002


これらの研究でも1分間の筋伸張は、伸張中は脊髄神経機能の興奮性は抑制されますが、伸張後は急激に伸張前の状態に戻ります。良い症例でも伸張後1分間くらいしか効果は持続しないのです。

こういう結果を知っているから いい加減なことは言えないわけです。


我々セラピストは動作分析ができる専門家でなくてはいけません。まずは運動学的な解釈が必要になるわけです。

機能障害を改善させることでADLを改善させる。これが’絶対に大切になります。運動学的な解釈がきちんとできるこれがセラピストの醍醐味です。

また、先週金曜日、土曜日に開催されていたボツリヌス治療学会で座長をさせていただきました。
参加された方々から、医師とセラピストの融合がある素晴らしい学会であるという投稿もありました。

しかし、この学会のなかでセラピスト主導型のボツリヌス治療のような発表がありました。これはボツリヌス治療する部位をセラピストが主治医に提言して医師とともに治療をしていくというものでした。

成功している施設のセラピストは、動作分析能力が高いということになるとおもいます。しかし、全てのセラピストに同じことはできませんよ。

治療する場所を間違ったら全く改善しないですからね。 私は「怖さと、大きな不安」を感じて帰阪しました。

セラピストはまずは動作分析です。