北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

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スウェーデン人のハワイ(後編)

2022-03-25 23:28:53 | スウェーデン

 

今回は本日発行のメールマガジンの内容です。

長いよ〜

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前回、通常のツアーの3分の1の価格のランサロッテ島内観光、火山見物つきに申し込んだところまで書いた。

 

もちろん、怪しさ満載なので、事前に電話で確認してみた。

「はい、書いてあるとおり全部回って10ユーロです」

 

それって、火山の入園料(9ユーロ)のみってこと。

 

よくよく読むと、「午前中、ホテルからはまずは、素敵な会議室?に行って、商品についての説明がある。約2時間半。それから、レストランに行って食事、そして、観光」

と書いてある。

 

どうやら、何かを売りつけるためのツアーらしい。あぶない!!

 

ところが、危ないもの好きの我が家。安いというだけで、それに申し込んだのだった。

だって、四人分で考えるとすごい安いでしょ。

 

翌朝、言っていたとおりホテルまでバスは迎えにきた。参加者は全部で10名。

我が家以外はカップルなので、グループ数にして4グループ。

 

心細いくらい少ない。

 

案内役の人が、後で揉めないように、再三、

「このツアーはセールスツアーというのを承知してますよね」と確認する。

 

騙して連れて行こうという気はないらしい。ほっ。

 

「絶対買わなくちゃいけないんですか」と質問すると、にがわらいして

 

「それが目的のツアーですから」とだけ答える。老獪!!

 

 

そして、別の町の、素敵とは程遠い建物の一室に連れていかれる。

万一逃げる羽目になった時の逃走経路を確認(そこまでして、参加するか??!)

 

1時間半あまり、高価な寝具についての説明を英語で受ける。

こんなに一生懸命説明して、しかも、4グループのうち、ひと組はノルウェー人、ひと組は、日本人、後の二組がイギリス人。英語の説明が完璧にわかるのは、この二組だけ。

 

説明するイギリス人の、どことなく投げやりな様子が伝わってくる。

 

「いつもなら二十人ぐらいは最低いるんだよね。本当ならこの人数だったらキャンセルするところなんだけど」

「国立公園の入園料だけで9ユーロもするんだよ。はっきり言って、もうけなんか全くないツアーなのさ」

 

なんて言う泣き言も混ぜる。

 

その時、テーブルには、宣伝どおり、トワイニングのティーパックとコーヒーとカステラのようなケーキが置かれている。サービスとはいえ、コーヒーはまずい。でも、娘はケーキを二つも食べる。

 

さらに、返事をしてくれたら、差し上げます。と言って、簡単な質問をして答えると、ワインを一本ずつくれる。

ああ、これが、宣伝にあったお土産ね。

 

一通り説明が終わると、スタッフが各テーブルを回って、個別交渉に入る。

いよいよ、きたな!

買うまで粘られたらどうしよう。と、身構えて対応すると

「日本帰国の時に持って行けないから」

と言っただけで、

「あ、そう」と引き下がった。

 

 

ね。いいの。そんなに簡単に引き下がって。周りを見ると、どの組も買ってはいない。義理で一番安いクリームを買った人もいたが、我が家はそれさえ買わなかった。

 

こんなに売れないで、あなたたち、あとでボスに怒られるんじゃないの。

大丈夫?生活できるの??

 

あまり恐縮したものだから、

「じゃ、観光ツアーに出発しましょう」

と言われた時、お土産のワインを忘れてきてしまった。残念。

 

 

でもさ、30ユーロのツアーさえ、値切ろうとしている人たちが、20万円以上もする寝具セットなんて、買うわけないでしょ、普通。そもそも、狙いから間違っているわね。

 

だいたい、ツアーに参加するまで、説明される商品が何かも教えられていないのに。

しかも旅行先で大きな寝具なんて、買う?

 

 

しかし、さすがヨーロッパ。宣伝に偽りありと言われないために、駆け足ではあったが、その後ちゃんと観光に連れて行ってくれた。

 

すれ違う満席の観光バスを見ては、たった10人で、大型バス一台を占有している我がツアー。スタッフはちゃんとガイドまでしてくれて・・・。

私が出世したら、ダブルの寝具セット買ってあげるからね。と心の中では感謝したのだった。

 

 

最大の目玉であるTimanfaya国立公園。地熱が熱く、それを利用してバーベキューができる。

グリーンラグーンと呼ばれる風光明媚な入江。

サボテンの荒野

島で一番美しいと言われる町。

由緒あるチャペル。

溶岩大地の中のワイン工場。

 

 

勝手にスリルと後ろめたさを味わったツアー、おすすめよぉ〜

 

 

さて、太陽いっぱいの1週間を過ごして、マルモ空港に降り立ったら、外は冬の雨。

しかも夜。風強し。思わず、そのまま飛行機に乗って引き返したくなりましたね。

 

 

あの1週間、その気になって、ずいぶん頑張ったスウェーデン語の勉強も、帰国したら全くやる気になれない。日常の買い物すらも億劫な日々に戻ってしまった。

 

ああ、やっぱり、太陽のせいね。

今までは、自分の怠け心のせいだと思っていたけれど・・・

 

 

しかし、一生をこのくらい冬と付き合って過ごすスウェーデン人。スペイン人と違う性格になるのも、無理ないわ。