当 称讃寺の檀家で この夏 70才台のご主人が亡くなったのですが、60才台の奥様は お葬式などの宗教儀式をせず、広く親戚一同や地域にも周知せず 家族だけで 翌日火葬し そのお骨をその日の夜 瀬戸内海に散骨したお宅があることが分かりました。
私が 当称讃寺の住職になっての初めての経験で 大変驚きました。
首都圏など大都会では 家族だけでお葬式をする いわゆる「家族葬」がブームになっているとか、亡くなった後 お葬式などの儀式をせず 翌日火葬する いわゆる「直葬」がだんだん増えて 今や数パーセントに達しているとの話を他人事のように聞いていました。
まさか 私が毎月 月命日にお伺いしているお宅で「直葬」をなさるとは ユメユメ想像もしませんでした。
60才台の奥様によりますと ご主人は生前「俺が死んだら 葬式はしなくていい。お骨は 海か山へ捨ててくれ。」と言っていたそうです。奥様はその通りを実行した、との事でした。
大都会での 家族葬だの直葬だののアブノーマルな形式だけがマスコミなどを通じて紹介され 安易にそれを実行してしまうことに 恐怖感を禁じ得ません。
人の死とは それ程軽いものでしょうか？人生最後の儀式が 何にもなかっていいのでしょうか？
私は 決して豪華なお葬式を何百万も出してしてください、といっているのではなく、また 立派なお墓を建立してください、と言っているのではありません。
家族・親族で臨終を確認し 枕経を読み、納棺の儀式があり お通夜で一晩かけてお別れをして、お葬式では 家族・親族と共に有縁の人々が個人をしのび、浄土真宗では お剃刀の大切な宗教儀式があるのです。その場所で時間と空間を共有する全員が その人の人生・業績を頭に描き命を共に実感する大切な場であるのです。
死んでゆく人が 自分の葬式やお骨・位牌などについての希望を夫婦や家族で相談する事は大変大切な事だと思いますが、葬式という儀式をしないという選択肢は 遺族としては取るべきではないと思っております。
このような風潮が広がる事は お坊さんをはじめとする宗教者の責任が大変大きいと思います。葬儀・法事などの儀式を単なる儀式で終わらすのではなくその意味や意義を分かりやすく解説し、人の「生・老・病・死」を意識して頂いておけば 葬儀が無意味な儀式だと思う人は居なかっただろうと思います。お坊さんの責任は大きいです。
次に 葬祭業者の責任も大きいと思います。葬祭業者は営利目的で今 多くの実績を上げたいがために 将来のことを考えずに 何でもやるというのが現状でしよう。結果的に 葬儀の宗教性が薄れ 意義を感じにくくなり 引いては無意味なものにお金は払わない、意義を感じない儀式は行わない、となってきていると思います。このことは 宗教者・葬祭業者ともに良くない事ですので大いに反省すべきだと思います。葬儀を司っているのは 宗教者ですので 喪主やご葬家とじっくり打合せをして 葬祭業者にはその葬儀を実施するのをお手伝い戴く、という 本来の姿に戻していく必要があるような気がします。
ご意見を頂戴したいと思います。
なぜ・・・嫁ぎ先の檀家となるお寺さまに・・たいしてお話したこともない・・・法事になるとお酒をたらふく飲み、法事の料理の準備の流れまで確認して仕切るような方に・・・私の最後をおくってもらわなくてはならないのですか？
心もこもらないお経を読んでもらうくらいなら・・・好きな曲と花でおくってもらいたい・・・。
現代のお寺さんが・・・故人のことをどこまで理解しておくってくださるというのでしょうか・・・。
無理強いする事でないです。
神道の観点を抜きに素直にお話しますと、余り繋がりのなく、知らない人に参列されても嬉しくありませんし、嫌な人に参列されると…世間体から体裁を整えるのでは故人はうかばれないでしょう。
私も葬儀は誰に何と言われようが執り行いません。
人の死の軽重を考えるなら、生前の故人の意志を必ず遂げるのがいいでしょう
意志に反したら関係者全部呪いますからね。
現代人はお金を払う以上必ず何かを手に入れる、
すべて買い物をする感覚に落ち入っています。形というもので確実に此の手にできない物にお金を出すのは無意味という感覚です。見返りの無い物には投資しないと言う事です。どうなってしまったのかと仰天します。また、日本の葬送の儀礼は仏教というよりも民俗宗教に根ざした所が有り、日本人の伝統的な生活に根ざした宗教である神道の方が葬送儀礼を大切にします。神道の勉強をしている方が書き込みされていますが、古代日本の民俗宗教の本当の実態をよく勉強した方が良いと思います。なぜ、普遍宗教という仏教やキリスト教、イスラム教などが世界に行き渡ったのか知ると仰天しますよ。
葬儀をしないのはその方の勝手ですが、死んで何も無く成って本当に「無」になるならば、あなたの今生きている「生」や「命」も無駄な事になります。浄土があるからこそそこには人間の平生があり得るのです。
祈りを忘れれば簡単に人も殺す、子供も殺す、口は出すけれど手は貸さない。おかげさま、お互い様も忘れて
現代人は「俺様！！」の生活です。
感謝する心があれば葬儀はするでしょう。
葬儀は要らないと言って死んだ方。本当に葬儀は要りませんでしたか？後で葬儀をすれば良かったと言っても
遅いです。法事も要りませんか？じゃあ佛檀も要りませんね。あなたはこの世に何をしに産まれて来たのですか？ただ、飲んで食って楽しければそれで良い人生なのですか。
通夜、葬儀、年回法要は自分のできる範囲でして下さい。命の有る限り我が身に運ばれた命に限りなく感謝申し上げて欲しいものです。
僧侶は儀式のプロです。押しつけはいけません。
喪家、遺族の意向を最大限に取り入れて形と心にする人です。葬儀屋がする事ではないのです。
教えも届かない、せめて形もできない、末法の世ですね。
子どもの学資保険はかけておりますけど。
こういう風に、人の道を説く資格があるのか？
今の坊主は、頭を丸めた葬儀屋、黒い着物を着たタカリ屋に過ぎないではないか。
コメント 有難うございます。
「今の坊主は、頭を丸めた葬儀屋、黒い着物を着たタカリ屋」とは 誠に上手に表現なさったと感心しました。やはり一般の方にはそう思えるんだと、再認識しました。本来の仏教とは どうあるべきで、本来の坊主は 何をすべきなのでしようか？教えてください。
今の日本仏教は頭を丸めた儒者が取り仕切る儒教だし。
位牌は神主、仏壇は宗廟、戒名は諡号、法事は祀。
坊主が魂だの御先祖様だのを説き、それを真に受ける信徒の姿を見ていると、
もう何をやっても無駄と思える。
何をやっても 無駄でしょうか？
その中で、何をすべきでしょうか？
称讃寺 住職