元警察官のN氏が逝きました。行年83歳でした。4年前に大腸癌が見つかり 手術等の治療を行いましたが、1年程前には 積極的な治療法はありません、との宣告を受けたのでした。余命の宣告でした。彼は自宅での療養を望み 家族も賛成しました。往診の医師に来ていただき ヘルパーさんに身の回りのお世話をお願いしました。彼は色々考えました。家族の事。相続の事。自分の葬式の事・・・・。彼は自分のお葬式の計画を立てました。お坊さんに 電話で質問し お坊さんを自宅に招き 自分の法名の事、葬儀社や会館の事、自分の遺影の事、読経のお坊さんの人数等など 意見交換して打合せをしました。奥様もお話に参加しました。その打合せは 今からおよそ3ヶ月位前だったでしようか。
そして とうとうその日が来ました。往診の医師に あと1週間かどうか、と云われたと 奥様からお寺に電話がありました。その日の夜 ヘルパーさんにおしめの交換をして頂いて ありがとうとお礼を言って、その後 静かに目を閉じたそうです。彼の目に涙が一滴スーッと流れたそうです。家族全員に看取られての最期でした。
家族の方々とお坊さんは N氏のお葬式を 本人との打合せの通り 一生懸命執り行いました。心のこもった とっても良いお葬式ができました。
ご自分の人生の最終章をご自分なりに計画なさって実行しました。とても 立派なN氏だと私は思いました。Nさん 有難うございました。残された奥様 ご家族の皆様 どうも有難うございました。私は 胸が熱くなりました。