能登尚彦 weblog

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ユビキタス無線工学 第6回

2007年05月24日 22時13分21秒 | ユビキタス無線工学
はじめに

今回は先週に引き続いて、高周波を学ぶ上での基礎知識ということでインピーダンス整合回路とそのさわり、スミスチャートに踏み込む予定だったと思います。


最初は先週の授業の後、学生さんから根日屋先生にフィルタの設計に関してもう少し詳しく説明をして欲しいという要望があったということでフィルタの設計に関しての復習ということになりました。

そして、少し寄り道をしてアンテナの話へ、円偏波、水平偏波、垂直偏波の定義について(念のためですが、ループアンテナは円偏波ではありません)

円偏波は時間とともにに偏波面が変わるものであること、アンテナを電波を送る方向から見て、右周りが右旋回、左周りが左旋回

受けるアンテナは同じ旋回方向のもでなければ受けられない(逆旋回は殆ど受けることが出来ない)

*衛星通信で何故、円偏波を使用するかというと衛星から発射した電波が地上のビルや地表などで反射した場合に逆旋回するために受信側でマルチパスの影響を受けることがうんと少なく有利であること。

*地上のテレビは何故、水平偏波を使うことが多いかということについては、地上の放送局のアンテナは無指向性のアンテナが必要で、円偏波のアンテナを作ることが構造上とても難しいこと、そして扱う周波数帯域が極めて広いために広帯域のアンテナを作ることがやはり難しいこと、またひとつ考えられるのは一般的に水平偏波のほうが垂直偏波に比べて雑音が少ない(雑音成分は垂直成分のほうが多いのではないかと言われている)のではないかということでした。

次の話はワイヤレスブロードバンドシステムの話

デジタルディバイド(インターネットの繋がる格差を減らそう)ということでワイヤレスブロードバンド(移動しながら、最終的には250km/h程度の速度で移動してもデータ通信が出来るようにする)構想の話

直近の総務省の報道発表でこの事業(Wimax、次世代PHSが有力)に既存の3Gの移動体通信事業者が外されてしまったということ(ドコモ、KDDI、ソフトバンク、イーモバイル等)ガードバンドを含む95MHzの帯域、80MHzの帯域に3事業者しか入ることが出来ないということになってしまったということです。

最後に少しだけ、インピーダンス整合回路に踏み込んでスミスチャートの話も少しされました。

http://www.h7.dion.ne.jp/~nebiya/tdu/

ユビキタス無線工学と微細RFID―無線ICタグの技術

東京電機大学出版局

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