引き続き、昭和の碩学、清水幾太郎(1907-1988)。に学ぶシリーズ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E6%B0%B4%E5%B9%BE%E5%A4%AA%E9%83%8E
2回目は流言蜚語として通用する条件。
ある程度本当である程度ウソなところに流言蜚語発生の余地あり!と喝破しています。
<流言蜚語として通用するには>
翻って考へて見れば、徹頭徹尾事実に反したことばかりで流言蜚語が出来上がってゐるとしたら、それは流言蜚語として通用することが出来ないであらう。それでは多くの人々を納得させ、彼等を結びつけながら社会的に蔓延するだけの通用力を持つことは困難である。若し全然それに該当する事実を持たなくても流言蜚語となる資格がなく、また完全に事実に適合してをれば尚更流言蜚語でなくなってしまふものとすれば流言蜚語は実に完全な不適合と完全な適合との中間にのみ生れることが出来ると言はねばなるまい。
<ソース>
清水幾太郎:流言蜚語の根拠と対策. 流言、うわさ、そして情報 -うわさの研究集大成ー 現代のエスプリ別冊 242-254 至文堂
(これの元ソース 「流言蜚語」 清水幾太郎著作集2 講談社)