新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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ラッサ熱騒動がドイツ国内感染に飛び火した

2016-03-18 09:09:17 | ラッサ熱

ナイジェリアからベナンやトーゴに現在進行形で拡大しているラッサ熱騒動。先進国への影響も、米国への緊急移送に次いでドイツで国内感染とイベントが相次いでいます。

  • ドイツ国内感染確認、フランクフルト大学病院に隔離入院中。
  • 今回の感染者は葬儀社社員。感染元はトーゴで活動して亡くなった米国人看護師。その遺体からの感染。
  • 3月3日に最初の遺体がAlzeyに運び込まれ、さらにトーゴに移送するために葬儀社社員が関与した。最初の遺体のラッサ熱がケルン大学病院で確認されたのが3月9日。
  • それからただちに、体液にふれた葬儀社社員の検査がおこなわれ、結果、ラッサ熱感染が確認されてフランクフルト大学病院隔離入院へ。家族は症状など無いが念のためフランクフルト大学病院入院観察中。
  • これはドイツ国内での感染としては第一例。輸入感染例は1974年から6例あり。

遺体から葬儀社社員への感染という特殊例ではありますが、ドイツ国内で感染ということで騒動になっています。遺体ということですから、もちろん、サーモグラフィーを通ったりはしないわけですが、それだけに落とし穴になります。実際に体液にふれてから6日経ってからラッサ熱感染が分かって、大慌てで検査して、陽性確認されて騒動に・・・と、この最先進国においても”想定外”の虚を突かれたらという一例です。

ソースはシュピーゲル
http://www.spiegel.de/gesundheit/diagnose/frankfurt-bestatter-mit-lassa-fieber-auf-isolierstation-eingeliefert-a-1082716.html
Nach Todesfall in Köln: Bestatter mit Lassa-Fieber auf Isolierstation eingeliefert

ProMED
http://www.promedmail.org/post/4098169

outbreaknews
http://outbreaknewstoday.com/german-funeral-home-worker-tests-lassa-positive-admitted-to-frankfurt-hospital-85316/

【追記】
その後の動き、合計3例か?と思われたけど2例陰性だったの時点
http://www.nbcnews.com/health/health-news/lassa-fever-case-puzzles-german-doctors-n541736

 

 


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