ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

K.009. オリーヴの絵のオリーヴ入れ Azeitoneira

2018-10-15 | 飾り棚

直径14.2cm

 ルドンドのピラサ工房のオリーヴ入れ。

 オリーヴの柄のオリーヴ入れは珍しくないが、たいていがもっと素朴な絵付けが多い。

 これほどすっきりとまとまった絵柄のはまれである。

 達者な筆さばきと色彩に感心させられる。

 

 フランスの田舎町などの朝市に出掛けると必ずオリーヴだけを扱っているオリーヴ専門店を見つける。

 オリーヴ自体の種類も多いがそれよりも色んなものと一緒に漬け込んだもの、例えば野菜のピクルスと漬け込んだもの、にんにくと漬け込んだもの、コショーや唐辛子をたっぷりまぶしたものなど、何十種類もをきれいに並べていて一見してオリーヴの専門店だと解る。

 どれもこれも美味しそうで全部を買ってみたいが、そう言う訳にはいかず買っても1~2種類がせいぜいだ。

 

 ポルトガルにはそういった凝ったものはない。

 シンプルにオリーヴの塩漬けのみ。

 よく漬かった古漬け。いかにも緑緑して漬けたばかりの浅漬け。

 モスグリーン、黒、赤みかかったグレーなど大つぶ小つぶ様々な物が店によって違うがせいぜい4~6種類位だろうか?

 八百屋が隅っこに置いていたり、オリーヴとメロンだけ専門に扱っている店があったりと様々である。

 

 メルカド(市場)のそういったオリーヴを扱っている前を通りがけに、時たまジプシーの子供が汚い指を突っ込んで一個を失敬してゆく、と言った光景をよく目にする。

 店の人は別に叱ったりはしない。

 勿論買おうとする人は味見をしてから買う。

 

 私はたいてい二種類位を一緒に秤にかけてもらって、一度に 500 グラム程を買う。

 子供が指を突っ込んだりして不潔なので、我家ではオリーヴを買って帰ってもそのままは食べない。

 塩分がかなり強い事もあって塩分を抜く意味でも水洗いをする。

 たっぷりのオリーヴオイルでニンニクを炒めてから

 水洗いして水切りしたオリーヴの上からジュワ-とかける。

 漬け込んで一日ほどおいてから食卓に出す。

 フランスの専門店の様な訳にはゆかないが、我家の定番である。

 ニンニクの香りがオリーヴの実にからんでとても美味。次から次に手が出てしまう。

 ワインにも良く合うが、ご飯の時の漬物代わりにもよい。

 今日はどの器で出そうか?と楽しんでいる。MUZ


©2018 MUZVIT

 

 


K.008. 素焼き炭火焼コンロ  Fogareiro

2018-10-14 | 飾り棚

高さ22.5cm

 セトゥーバルの下町ジュンクエイロに住み始めた当初にはこのコンロに随分お世話になった。

 小さなベランダで炭火を起こし網を乗せて何でも焼いた。

 サルディーニャ(鰯)カラパウ(鯵)パルゴ(鯛)ベスーゴ(甘鯛)エスパーダ(太刀魚)と魚はもちろん、フランゴ(鶏)やポルコ(豚)ピメンタ(ピーマン)それに自家製のメザシとアジの開き。

 遠慮いらずでもうもうと煙を出した。

 あまりにも酷使しすぎたのかある時、ぱっくりと割れてしまった。

 素焼きで甘い焼きの割にはよく持ったものだと思う。

 愛着もあり捨てるにはしのびなくとりあえず接着剤で張り合わせてみた。

 その後、鉄製の炭火焼コンロを使っていたが残念ながら最近は炭火焼をしなくなった。

 南東方向にある松の木が年々大きくなり我家のベランダに迫ってきていて「もし火が移れば…」と心配になったからである。

 一階のマリアさんや二階のメルローさんはコンロを表に持ち出して炭火焼をしている。

 我家は四階なので下まで持って行くのが大変なので最近は電気で焼いているが、やはり煙を出して炭火で焼いた物のほうがひと味もふた味も旨い。MUZ

©2018 MUZVIT

 


K.007. 花模様ワインピッチャー Jarro

2018-10-13 | 飾り棚


高さ22cm/1リッター

 モンサラスの丘の下、サン・ペドロ村ヴィッタル・ジャネイロ工房のワインピッチャー。

 レストランでこういった器に樽から移したワインが出てくると嬉しくなってしまう。

 ワインのボトル一本なら普通 750 ミリリットルだがこれならたっぷり1リッターが入る。

 それに安いワインでも樽から移したものならたいていが旨い。

 ガラスのビンでは中味の残りは一目瞭然だが、この器ならまだ残っているのか?もう無いのか?中味が見えないから、恐る恐るグラスにかたむける。

 そしてたいていの場合とくとくとくとくと出てくる。

 いつも得(とく)をした気分になる。

 ピッチャーの中で増えているのでは?と思うこともしばしば。

 アラジンの魔法のランプならぬ「魔法のワインピッチャー」である。

 要するに酔っぱらっている証拠なのだが…。

 我家では残念ながらワインには使わない。

 花を生ける。これに薔薇を生けて何度か VIT の絵になった。MUZ


©2018 MUZVIT

 


K.006. 17世紀柄小鹿と花模様陶器小物入れ Caixa Pequena Sec.ⅩⅦ

2018-10-12 | 飾り棚


10.5x8x4.5cm

 この種類の焼き物はこのコーナーの第一回に登場した「石鹸入れ」に続いて二回目。
 この器には最初 100%ポルトガルの材料を使って創作した「うめぼし」を入れて使っていた。
「ポルトガルのえんとつ」108頁「葡萄牙国の梅干しもどき」参照

 ところが塩分が強すぎたのか、しばらく使っているうちに、器の回りから塩が吹き出してせっかくの可愛い絵柄を少し剥がしてしまった。
 急いで「うめぼし」を別の容器に移してその後、永いこと水に浸けて、乾かし、また水に浸け乾かしを何度か繰り返しすっかり塩分を抜き取った。
 でもうわぐすりが多少剥がれ、さらに貫乳(かんにゅう)が入って17世紀柄に相応しい、まるで博物館の展示物のような貫禄がついた。

 今は紅茶用のペットシュガー入れに使っている。
 甘い砂糖の方がこの可愛い絵柄にマッチ?して塩梅(あんばい)が良い。MUZ
©2018 MUZVIT


K.005. 鉄製鹿の蝋燭立て Castiçal em metal

2018-10-12 | 飾り棚

高さ40cm、皿の直径15cm

 アレンテージョ地方のカンポ・マヨールのような少し大きな町に行くと、二階のベランダが美しい鉄製の枠で飾られていて目を引く。
 その殆どが唐草模様の様なものであるが、各家によって様々で見ていて飽きない。
 また煙突のてっぺんや屋根の上には同じ工法で作られた風見鶏などもみる。
 そしてそんなものを作っている町工場を時たま見かける。
 鉄を火に入れハンマーで叩き曲線を作り出し溶接する。
 これはその技術を使っての小物である。
 アフリカの鹿だろう。角のねじれた部分と長い足が気に入っている。
 縦長の割には重いので安定しているから、食卓を立体的に使うにはもってこいで、器としても何にでも使えるのだろうが我家では蝋燭立てに使っている。
 ちなみにベランダの事をポルトガル語では「バランダ」という。
 カッパ、メリヤス、シャボン、ビードロ、ボーロ、コンペイトウ、カステラと日本語になったポルトガル語はたくさんあるが「ベランダ」もその一つだろう。MUZ
©2018 MUZVIT


K.004. アレンテージョ農家模様オリーブ入れ Azeitoneira

2018-10-12 | 飾り棚

 ヴィッタル・ジャネイロ工房のオリーブ入れ。
 黒々としたオリーブの実が画面前面に配置され、なにか浮世絵(ジャポニズム)的な構図のとりかたを思い起こす。
 バックにアレンテージョの農家とオリーブの木。そして麦畑。
 真っ青なアレンテージョの空にぽっかり浮かぶ真っ白い雲と大きな太陽。
 その空にカラスが群れ飛んでいる。
 「カラスが群れ飛ぶ麦畑」というとゴッホのオーヴェールでの作品を思い浮かべるが、カラスはポルトガルでは神聖な鳥。
 リスボンの市の鳥にもなっている。
 絵柄のある広い方にオリーブの実を入れ、狭い部分に食べたあとの種を入れる。
 我家では塩漬けオリーブの他にナッツを入れたり焼き栗を入れたり、果物を入れたりといろいろと使って楽しんでいる。
 ろくろで皿を作って手で少しひょうたん型にひねり、粘土で間仕切りを入れる。
 小さいけれど結構手間の掛かる焼き物である。
 オリーブ入れはポルトガル独特で面白い物が多いので、これの他に30余りのコレクションがあります。
 でもどれもこれも手造りならではの趣がある。
 今後順次このコーナーでご紹介していきます。MUZ
©2018 MUZVIT

 


K.003. 素焼き舟水がめ Bilha Barro para Água

2018-10-12 | 飾り棚

 これも随分前にセトゥーバルの夏祭りの出店で買い求めたもの。
 なんともユーモラスな形が気にいった。
 水がめは普通もっと縦長。
 日本にも舟の中でも安定して使えるどっしりとした、舟どっくりと言うのがあるがそれに類するものだろう。
 港町の出店ならではの品。
 昔、暑い夏のギリシャをキャンピングマイクロバスで旅行中、水瓶には随分お世話になった。
 ポリタンクの水はすぐに生ぬるくなってしまうが、水瓶の水は逆にどんどん冷たくなる。
 素焼きだから気化熱を発し、中味の水を冷やすのである。
 魔法瓶(びん)いらず、大昔から使われてきた魔法の瓶(かめ)である。MUZ

©2018 MUZVIT

 


K.002. 果実模様大皿 Prato Pintura Fruta

2018-10-11 | 飾り棚

直径 28cm

 ルドンドはフローサ工房の大皿。
 もう随分昔にセトゥーバルの夏祭り、サンチャゴ祭の出店で買いもとめました。
 お客さんの時など大人数の時は必ず一番にお出ましです。
 蟹などの時にも使います。果実の模様は蟹で隠れてしまいますが、周りのブルーに蟹の赤が映えてこれもマッチします。
 使わない時は居間の飾り棚ででんと控えて眼を楽しませてくれています。MUZ
© 2018 MUZVIT


K.001. 陶器の石鹸入れ Saboneteira

2018-10-11 | 飾り棚

直径 12x10cm x 高さ 3,5cm


 二重の造りになっていて上のお皿には波があって穴が開いているので、水は下の器に溜まる。
 今日「サンチアゴ夏祭り」の出店で買いました。
 この絵柄のものは他にも色々と持っているのですが可愛い絵柄が好きです。
 新に加わった私の宝物です。MUZ

©2018 MUZVIT