つい最近まで水不足、ダムの底が現れて水没した教会が姿を現した。などと騒いでいたが、それが11月から降り始めた雨が止まず、一転。あれほどからからだったダムがもうあふれるほど満杯。
もうすぐクリスマスという時期にリスボンのアルカンタラ地区などにテージョ川の水があふれだした。その周辺のオエイラスなども次々に浸水し、1~2メートルもの水が室内に流れこんだ。道路に面した家電製品の店では、商品が水びたし。カフェもレストランも何もかもが泥まみれ。クリスマスのかき入れ時に大変なことになったものだ。
一方、リスボンから遠く離れたカンポマヨールでも町が土石流に被われ、被害が甚大だ。民家や店内に流れ込んだ大量の泥水をラバーでかきだすのに大忙し。でも水に浸かった家電製品は使えなくなった。大型家電製品やソファーやタンスなども捨てるしかない。道端にはそんなゴミが山のように積み上げられている。
カンポマヨールは日本からやってきてすぐの頃に行った。そのころはまだローカルバスで旅していた時だ。途中小さな田舎町の広場に運転手はバスを止めた。そしてそこにあった水汲み場に走り寄り湧き水を自分用のペットボトルに詰め、旨そうに飲んだ。乗客を乗せたままである。
終点カンポマヨールの町に着いたのはもう夕方になっていた。中心にある大きな公園の横にバスは止まった。ちょうど沈みかけた夕陽があたりを真っ赤に染めて感動的だった。カンポマヨールにはその後も何度か出かけたが、いつまでもその最初に到着した時の夕陽のイメージが残っている。
公園の前にあるレシデンシャル(宿)が目についたので、このレシデンシャルに泊まることにした。入口のドアを開けるとひんやりとした空気で驚いた。クーラーが良く効いているなと一瞬喜んだのだが、その当時は、クーラーなどは都会の町中でもめったに見かけないのにこんな田舎ではあるはずがない。それはクーラーではなく、石造りの建物は内部がひんやりと涼しいのだと気が付いた。日本のように湿気がないので木陰や室内は過ごしやすい。おかげでぐっすりと眠ることができた。
今回、このレシデンシャルは洪水で被害は無かったのだろうか。
カンポマヨールはアレンテージョのルドンドで催される紙祭同様、自分たちの手作り紙祭を開催しているが、花をアレンジしたもので素朴な紙祭だ。
それに対し、ルドンドの紙祭は毎回趣向凝らした企画で見ていて感心する。発想がさすがだ。でも経費がかかりすぎるのか、二年に一度の開催となったのは残念。二年に一度というのは判りにくいので、それまでは毎年その時期になると気をつけていたのだが、いつのまにか行かなくなった。
ルドンドの紙祭に最後に行った時は、真夏の8月初旬だというのになんと雨が降り始めて、しかも本降りになった。普通ならポルトガルのアレンテージョには8月に雨が降ることは絶対にない。乾季の真っ最中の筈だ。そんなことは初めてで、せっかくの紙祭が雨に濡れて融け始めていた。係員が大慌てで、作品にビニールをかぶせても間に合わない。青い花も赤い衣装もぐったり融けて残念なことになった。
ルドンドの教会前の広場
町の通りに飾られた紙細工も濡れて絵の具が溶けだしている
その後、コビット19騒ぎが発生して、私たちはどこにも出掛けない生活が始まった。日本にも帰国できないで引き籠り。
でも今年はやっと帰国できそうだと期待していたのだが、中国人や韓国人が日本にどっと押し寄せてくるらしいから、日本はまたオミクロンが蔓延しそうだ。
MUZ 2023/01
新年あけましておめでとうございます。2023年は良い年になりますように。今年もよろしくお願い申し上げます。