えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第2章 怒涛の日々 9.

2007年04月18日 | 乳がん闘病記
9.
 懸案事項を少しずつ片づけて気持ちに余裕が生まれると、夫を追い詰めてから重苦しい雰囲気が続いていることが気になり出した。私は私で、多くを語らずとも気持ちを察してほしかったので、素直に謝れないでいた。一方夫は夫で、私を泣かせたことで苦しんでいるのかもしれなかった。今朝はぎこちないまま家を出て行った。同じように素直になれないでいるのだろう。

 メールで謝るついでに、泣いた理由や自分の気持ちを正直に伝えておこうと思った。連綿と綴りながら、感極まって何度も涙をぬぐった。でも、そうすることでだいぶ気持ちがすっきりした。

 返事がないまま、夫が帰宅した。メールのことには触れないでいるが、いつもの彼に戻っていた。私の気持ちは察してくれたのだろう。たぶん、おそらく、きっと…。

 私は何事もなかったかのように、その日に得た情報を夫に話して聞かせた。彼にも知っておいてもらいたかったし、話すことで自分の考えを整理できたのだ。

 彼は快活だが口数は多くはなく、訊かれなければ自分のことは進んで話さない。人にも余計な口出し、手出しはしない。人に干渉することも人から干渉されることも嫌いだからだろう。あるいは、自身が人に頼ることを好まない、自己完結型の人間だからかもしれない。
 一方で、私が話すことには、よっぽど機嫌が悪くない限りは耳を傾けてくれる。助言や助け船を求めれば、そのときに応じた的確なそれらを供してくれる。
 つまり、普段は余分な干渉はせず、私のしたいようにさせてくれ、必要に応じてサポートしてくれる、私にとっては良きパートナーだ。料理は得意だし、頼めば家事も手伝ってくれる。夫としては文句はない。ただし、自分の気持ちを表現するのにいたく不器用なことと、お財布を握っていることを除いては!
 
 おそらく、今回の治療に関しても、彼の私に対するスタンスは変わらないだろう。日本にいる限りは、黙って耳を傾け、見守ってくれるだろうと思う。だから、私は納得いくまで調べて自分の選んだ治療を受ければよいのだ。彼はそばにいてくれれば、私が必要とするときに話を聞いてくれさえすればよいのだ。
 でも、その彼は近々インドネシアに行ってしまうかもしれない。そうなったら、私は誰に、こうして治療の詳細を語り、心のうちをぶつければよいのだろうか…パートナーがいない場合を考えれば、これは贅沢な悩みで、考えが甘いということになるのだろうか…?

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