16.
2007年が明けた。1月末、Y先生の診療日。先生は開口一番「ちょっと太られましたか?」と言った。図星だったので「やっぱりわかりますか?」と苦笑いすると、「いいですよ、太るくらいの方が。人によっては、病気の心労で痩せる方もいますからね」と先生は返した。放射線治療で落とした数キロをとり戻しただけではなく、治療以前より増えているくらいだった。これは女性ホルモンを抑えることでよく起こる一般的な現象だが、先生の言うように心労で痩せるよりはよいかもしれない。
その日に行った血液検査の結果は異常なかった。いつものことながら、先生は「肝機能・コレステロール・骨密度、全部問題ありません」と言った。それらがホルモン治療の副作用を見る指標だからだ。一時跳ね上がっていた中性脂肪値もだいぶ減り、安心した。免疫学的に自分で注目していたリンパ球と顆粒球のバランス*も、だいぶ改善していた。ただ、術後2年近くになるのに、血小板の値が低いままだった。放射線治療で減ることは知っていたが、それが終わってから1年半以上が経っている。理由を尋ねると、それもホルモン治療によるものと言われる。女性ホルモンを抑えると、がん細胞を抑えられるかもしれないが、代償も大きいことが今さらながらよくわかる。
同じく1月末、N医科大学付属病院の女性診療科で子宮頸がん・子宮体がん検査を受けた。ホルモン療法の副作用として子宮体がんの罹患リスクが高くなる*ので、半年に一度は検査するように女性診療科の先生に言われていたからだ。書物にもその旨が書いてある。にもかかわらずY先生からその指示がないのは、改めて不思議だと思った。確率が低いからだろうか? エコー検査と細胞診の結果問題はなく、ほっとした。
2007年2月5日、朝日新聞の記事で「マンモグラフィによる検査だけでは、40代の乳がんは3割も見落としがある」という事実を知った。乳腺密度が高く、マンモグラフィでは腫瘍が映りにくいのが原因だそうだ。一方「エコー検査は乳腺の濃さに影響されにくく、20~40代の乳がんの発見に効果が高いと期待されている」とあった。私も病気の先輩であるBさんもマンモグラフィでは異常が認められなかったのが、何よりの証左だった。私たちがこの例に洩れなかったことを改めて認識し、N医科大学付属病院で精密な検査を受け、初期で発見できたことを、今また改めてありがたいと実感した。今後の定期検査でもマンモグラフィとエコーを併用してもらおうと思った。
* 過去記事: 「第6章 ホルモン療法 34.」をご参照ください。
* 過去記事: 「第6章 ホルモン療法 40.」をご参照ください。
2007年が明けた。1月末、Y先生の診療日。先生は開口一番「ちょっと太られましたか?」と言った。図星だったので「やっぱりわかりますか?」と苦笑いすると、「いいですよ、太るくらいの方が。人によっては、病気の心労で痩せる方もいますからね」と先生は返した。放射線治療で落とした数キロをとり戻しただけではなく、治療以前より増えているくらいだった。これは女性ホルモンを抑えることでよく起こる一般的な現象だが、先生の言うように心労で痩せるよりはよいかもしれない。
その日に行った血液検査の結果は異常なかった。いつものことながら、先生は「肝機能・コレステロール・骨密度、全部問題ありません」と言った。それらがホルモン治療の副作用を見る指標だからだ。一時跳ね上がっていた中性脂肪値もだいぶ減り、安心した。免疫学的に自分で注目していたリンパ球と顆粒球のバランス*も、だいぶ改善していた。ただ、術後2年近くになるのに、血小板の値が低いままだった。放射線治療で減ることは知っていたが、それが終わってから1年半以上が経っている。理由を尋ねると、それもホルモン治療によるものと言われる。女性ホルモンを抑えると、がん細胞を抑えられるかもしれないが、代償も大きいことが今さらながらよくわかる。
同じく1月末、N医科大学付属病院の女性診療科で子宮頸がん・子宮体がん検査を受けた。ホルモン療法の副作用として子宮体がんの罹患リスクが高くなる*ので、半年に一度は検査するように女性診療科の先生に言われていたからだ。書物にもその旨が書いてある。にもかかわらずY先生からその指示がないのは、改めて不思議だと思った。確率が低いからだろうか? エコー検査と細胞診の結果問題はなく、ほっとした。
2007年2月5日、朝日新聞の記事で「マンモグラフィによる検査だけでは、40代の乳がんは3割も見落としがある」という事実を知った。乳腺密度が高く、マンモグラフィでは腫瘍が映りにくいのが原因だそうだ。一方「エコー検査は乳腺の濃さに影響されにくく、20~40代の乳がんの発見に効果が高いと期待されている」とあった。私も病気の先輩であるBさんもマンモグラフィでは異常が認められなかったのが、何よりの証左だった。私たちがこの例に洩れなかったことを改めて認識し、N医科大学付属病院で精密な検査を受け、初期で発見できたことを、今また改めてありがたいと実感した。今後の定期検査でもマンモグラフィとエコーを併用してもらおうと思った。
* 過去記事: 「第6章 ホルモン療法 34.」をご参照ください。
* 過去記事: 「第6章 ホルモン療法 40.」をご参照ください。
昨年、2月6日、乳がん宣告を受け、結果的にシロと出て、1年が経過しました。半年後にエコー、1年後のこの2月マンモ検査を受けましたが、お蔭さまで「異常なし」。あの宣告はなんだったの?という感はありですが、何も変化が見られなかったことにほっとしています。その折に、心強いアドバイスをいただきながら事後報告もせず、ごめんなさい。「便りのないのは何とかやら~~」と思って
なぁぁんて、言い訳してしまって。
息災であると、あれこれ行動範囲を広げてしまうのが、これまたいけない癖。ボランティに目覚め、(これには同窓会も含まれます)ない時間をさらに忙しくしています。ううん、それでも才能があるならよいのに、それがないゆえ、時間の浪費・自己満足状態です。そのうちサプライズがありますよ!!
また、ゆっくりお話しできる機会がもてたら嬉しいこと。
近況報告まで。
瞬く間に1年が過ぎてしまったのですね。あのときはへこんだり安堵したり、ジェットコースターに乗ったようなご気分だったことでしょう。でも、上昇できて本当によかったですよね。
サプライズ?! 一体何でしょうねー、楽しみです!
ひょっとして年に1回出る「アレ」かな? まぁ、そのうちわかるでしょう。
ほんと、ゆっくりお話しできるといいですね。お酒はつき合えませんが、おしゃべりにはおつき合いしま~す! の後輩でした。