12.
セカンドオピニオンを求めた上でまだいくつか気になっていることがあるので、それだけ確認させてほしいと頼むと、Y先生は快諾してくれる。次の7点を確認した。
① 乳房温存術ガイドラインについて
Q: S医科大学付属病院のように、厚生労働省の設けている
ガイドラインとは別に、独自のガイドラインを定めている
場合があるようだが、N医科大学付属病院はどうか?
A: 残念ながら、独自のガイドラインを設けるほど豊富な臨床例が
ないので、厚労省のガイドラインに則っている。それで特に
問題を感じていない。
また、厚労省のガイドライン自体が臨床結果に基づいている
ので刻々と変わるのが実状である。その変化は必ずしも前進
とは限らず、場合によっては旧態に戻ることもある。
② 術中の迅速病理診断について
Q: 腫瘍そのものが100%悪性かどうか、術中に確認してから
切除してもらえるのか? それとも目での判断によるのか?
A: 術中の凍結病理検査で判断してから切除する。
Q: 乳頭を残すかどうかの判断も、切断面の生検で最終的に
決めるのか?
A: 切除断端も術中の凍結病理検査に出した上で、切除範囲を
判断する。
③ センチネルリンパ節生検について
Q: 術中のセンチネルリンパ節生検の結果、陰性だったら
腋窩リンパ節を郭清しないのか?
それとも陰性でも郭清するということか?
そのことをバックアップ郭清というのか?
A: 陰性でも念のため一部郭清する。第2肋間上腕神経の上、
レベルIの郭清(腋窩静脈の下のリンパを4~5個郭清)を
する予定。術後永久標本を採り、生検する。そのことを
バックアップ郭清という。その結果が陽性なら、二期的手術の
可能性あり。
センチネルリンパ節生検の方法は、色素を血管に注入し、それが
最も多く集まるリンパ節をセンチネルリンパ節とみなす。
④ 手術法について
Q: 手術法の詳細は? 特に、切開方法について前回よく理解
できなかったので。
「せっかい(石灰?)がどうの」と言っていたのは、どういうことか?
A: その場にならないとわからないが、整形のため乳輪に沿って
弧状切開する。縫合面を3面にして縫うときれいに仕上がる
ため。
「別切開を置く」とは、生検のために腋窩リンパ節の一部を取る
ために、患部とは別に小さく切開するという意味。
⑤ 漢方薬による治療について
Q: 術後の補助治療に、漢方薬を併用できるか?
A: 漢方薬は5年ほど前から使用している。特に十全大補湯
(じゅうぜんたいほとう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を多用して
いる。
前者は免疫復活作用として、後者はホルモン療法の対症療法、
病後の軽快に用いている。
⑥ 他の薬との併用について
Q: 花粉症を抑える薬を飲んでいるが、飲み続けて良いか?
A: OK。
⑦ 精神的なケアについて
Q: 精神的なケアは誰がするのか?
A: 専門スタッフはいないが、大切なことなので、必要に応じて自分たち
医療チームが対応する。希望があれば、精神科の医師が対応することも
できる。
Q&Aはテンポよく進んだ。
セカンドオピニオンを求めた上でまだいくつか気になっていることがあるので、それだけ確認させてほしいと頼むと、Y先生は快諾してくれる。次の7点を確認した。
① 乳房温存術ガイドラインについて
Q: S医科大学付属病院のように、厚生労働省の設けている
ガイドラインとは別に、独自のガイドラインを定めている
場合があるようだが、N医科大学付属病院はどうか?
A: 残念ながら、独自のガイドラインを設けるほど豊富な臨床例が
ないので、厚労省のガイドラインに則っている。それで特に
問題を感じていない。
また、厚労省のガイドライン自体が臨床結果に基づいている
ので刻々と変わるのが実状である。その変化は必ずしも前進
とは限らず、場合によっては旧態に戻ることもある。
② 術中の迅速病理診断について
Q: 腫瘍そのものが100%悪性かどうか、術中に確認してから
切除してもらえるのか? それとも目での判断によるのか?
A: 術中の凍結病理検査で判断してから切除する。
Q: 乳頭を残すかどうかの判断も、切断面の生検で最終的に
決めるのか?
A: 切除断端も術中の凍結病理検査に出した上で、切除範囲を
判断する。
③ センチネルリンパ節生検について
Q: 術中のセンチネルリンパ節生検の結果、陰性だったら
腋窩リンパ節を郭清しないのか?
それとも陰性でも郭清するということか?
そのことをバックアップ郭清というのか?
A: 陰性でも念のため一部郭清する。第2肋間上腕神経の上、
レベルIの郭清(腋窩静脈の下のリンパを4~5個郭清)を
する予定。術後永久標本を採り、生検する。そのことを
バックアップ郭清という。その結果が陽性なら、二期的手術の
可能性あり。
センチネルリンパ節生検の方法は、色素を血管に注入し、それが
最も多く集まるリンパ節をセンチネルリンパ節とみなす。
④ 手術法について
Q: 手術法の詳細は? 特に、切開方法について前回よく理解
できなかったので。
「せっかい(石灰?)がどうの」と言っていたのは、どういうことか?
A: その場にならないとわからないが、整形のため乳輪に沿って
弧状切開する。縫合面を3面にして縫うときれいに仕上がる
ため。
「別切開を置く」とは、生検のために腋窩リンパ節の一部を取る
ために、患部とは別に小さく切開するという意味。
⑤ 漢方薬による治療について
Q: 術後の補助治療に、漢方薬を併用できるか?
A: 漢方薬は5年ほど前から使用している。特に十全大補湯
(じゅうぜんたいほとう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を多用して
いる。
前者は免疫復活作用として、後者はホルモン療法の対症療法、
病後の軽快に用いている。
⑥ 他の薬との併用について
Q: 花粉症を抑える薬を飲んでいるが、飲み続けて良いか?
A: OK。
⑦ 精神的なケアについて
Q: 精神的なケアは誰がするのか?
A: 専門スタッフはいないが、大切なことなので、必要に応じて自分たち
医療チームが対応する。希望があれば、精神科の医師が対応することも
できる。
Q&Aはテンポよく進んだ。
その状況下においてこれだけ丁寧に勉強して、医療関係者との人間関係を作り、情報を集めて、良好な人間関係を保ちつつきちんと確認し、理解し・・・凄いです。
いいえぇ、火事場の馬鹿力ですよ。誰でも、自分の命がかかってると思えば、アドレナリン大放出状態で、その場はなんとか乗り切れるものですよね。
問題は集中力が切れた後ですよ...火事場の馬鹿力はそう長くは続かないものね。