第２章 怒涛の日々 １３．

１３．
　患者のサポート団体には、Cさんの言っていた「あけぼの会」*の他にも「ソレイユ」*「イデアフォー」*などいろいろある。
　「イデアフォー」には無料電話相談窓口があるのを見つけた。担当者４名が交代で相談を受けてくれるらしい。おそらく、担当者自らが乳がん体験者なのだろうから、誰よりも患者の気持ちを理解してくれるだろうとも思った。そこに電話してみようと思った。

　私の選んだ担当者の受付時刻は夜１０時～１２時なので、１０時を回るとすぐに電話してみる。その日の当番である年配の女性が、ゆっくり落ち着いた声で対応してくれた。時刻が時刻だし、相談時間は２０分が基本とされているので、自分の病状を簡潔に説明してから、一番訊きたいことを２つだけ訊いた。

　１つは、都内のお奨めの病院あるいは医師について。私が条件を先に提示すると、彼女は新宿にある病院と目黒にある病院２つを挙げた。特に目黒の病院のB医師はお奨めだと言った。―新宿なら比較的通いやすいけど、目黒ねぇ…日参するには遠いなぁ…―

　２つ目は例のこだわりの「センチネルリンパ節生検」だ。Bさんが言うように必須条件だと思うかどうか訊いてみると、「最低、術中のセンチネルリンパ節生検はやってほしいですよねぇ。でも、やってくれる病院ばかりとは限らないんですよ」と言った。―やはり、これは選定の必須条件に入れなければ…―　術前のセンチネルリンパ節生検については知らないということだった。



*「あけぼの会」：http://www.akebono-net.org/index.htm
*「ソレイユ」：http://www.b-c-support.com/~soreiyu/
*「イデアフォー」：http://www.ideafour.org/