【お断り】(2017.9.1追記)
この闘病記は12年前の闘病の記録です。
したがって、現在厚労省の定める乳がんの標準治療は、当時と一部異なっています。治療についての最新情報は、
「日本乳癌学会」や「国立がん研究センター」の乳がん情報など、信頼できる情報源を参考にすることをお奨めします。
第2章 怒涛の日々
1.
翌日いつものように目が覚めた。やはり全部夢なんかではなかったのだと現実を突きつけられたとき、胃がぐぐっとせり上がるような気分になった。でも、この現実は誰のことでもない、他ならぬ自分のことなのだ。目をつぶることも、逃げることもできない。いろいろな人の助けをこれから借りることはできても、私自身が動かないことには何も始まらない。立ち向かうしかないのだ。そう言い聞かせ、お腹にぐっと力を込めてふとんから這い出た。
その日は早くも最初の検査、MRI検査が待っていた。造影剤を使うと聞いたし、同意書に署名もした。実は造影剤を入れるのは初めてではなかった。大学3年のとき、腎臓の検査のために造影剤を使ったことがある。結果としては左右両方遊走腎(:腎臓下垂)とわかっただけで大事には至らなかったが、造影剤を入れて少しすると吐き気がしたのを覚えているので、今回も覚悟はしていた。
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置)とは、ある病院のHP*から引用すると「強力な磁石の間に体を入れて電波を当てると体から電波が放出する現象(核磁気共鳴現象)を利用した画像診断装置」だそうだ。「体から放出される電波は、骨や臓器によって強さが微妙に異なり、これをコンピュータで断面像として画像化することができる」「CTでは基本的に体の輪切りを撮影するのに対し、MRIは縦・横・斜めなど自由自在に断面像を撮ることができる。またCTでは不得意であった厚い骨に囲まれたような部位でも、MRIでは鮮明に描出できる」とある。なかなか頼もしい検査のようではある。
ただし、受診できない条件がいくつかある。妊婦や、体内にペースメーカーや金属がある人は受診できない。イレズミがあってもだめらしい。顔料に金属が含まれているのだろうか? 閉所恐怖症の人もできないとある。検査中は動いてはいけないので、子供など必要な場合は睡眠薬で眠らせるとのこと。あらら。
でも、どうやら騒々しいだけで痛くもなんともないらしいので、辛抱することにする。
* http://www.shirakawa.ne.jp/~kousei/comedical/x_ray/mr_000a.html