えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...
ありのままに、ユーモラスに......♪

新聞記事より ~心にふれる話~

2014年12月31日 | 雑記

 今年1年は、個人的にも社会的にも暗いニュースが多く、しんどい1年でしたが、せめて最後はほっこりする記事で締めたいと思います。

 

  話  (2014年12月23日 東京新聞朝刊より ※段落のブロック分けはブログ管理人によります)

    

    その女性に初めて会ったのは、午前6時2分、京王相模原線多摩境駅発の
   電車内だった。乗客がまだ半袖シャツを着ていた9月。東京農大一高の教諭
   長田(おさだ)道弘さん(60)は、座席で本を読んでいた。
    乗り換えの一つ前の駅。乗ってきた二十代ぐらいの女性が前に立った。
   バッグにぶら下げたマークが目に入る。「おなかに赤ちゃんがいます」。席を
   譲ると、女性は申し訳なさそうに座った。「どうぞ」「すみません」。それが毎日
   続いた。
    交わす会話はそれだけだ。大きくなっていくおなかを見て、「座らせてあげないと」
   と使命感が芽生えた。確実に席を取れるよう、少し早起きして、電車が到着する
   5分前にはホームで待った。

    乗客がコートを羽織るようになった今月1日。普段通り席を立つ長田さんに
   女性は言った。「今週で産休に入ります。これまで、ありがとうございました」。
   手作りの焼き菓子をプレゼントされた。
    最後まで、名前も、どこの駅で降りるかも知らなかった。語り掛けもしなかった。
   ただ、これだけは言っておけばよかったと悔やむ。「出産、がんばって」。

                                            (石井紀代美)

                                     

 

 殺伐とした都会のイメージがあるかもしれない東京のラッシュ時の電車内...そこで、3ヶ月もの間、毎日こんなシーンが静かに繰り返されていたとは...なんとも心温まりますね。長田さんのさりげない優しさと温かさが、きっと周りの乗客にも伝わっていたに違いありません。私がいつも使っている路線での出来事ゆえ、なおさら親近感と感動が増します。
 この女性の安産を心から願うとともに、長田さんの心優しさが周りの乗客にもじんわりと広がっていくことを願っています。一人一人の温かさが、社会全体の温かさにつながるのですものね。私も見習いましょう。

 

   話   

   

     この夏の暑い盛りのことだった。Kさん(56)にしては珍しく、ブランド物の晴雨兼用
    折りたたみ傘を商品券で買った。ところが、何回も使わないうちに、ある日出先で
    折りたためなくなってしまった。骨組みのジョイントの一部が外れてしまったのだ。
    Kさんは、出先での最寄りの靴の修理屋に、ダメ元で持ち込んだ。

     傘を見るなり、おじさんは大阪弁丸出しで言った。「傘はやってへんよ」
    「やっぱりそうですよねぇ...」 Kさんががっかりして言うと、「見るだけ見たるわ。
    貸してみ...」と、おじさんは傘を手に取った。そして、患部?を見るなりきっぱりと
    言った。「これ、壊れたんやのうて、最初っから不良品だったはずや」
     それからおじさんは、自分の確信の根拠を丁寧に説明した後、3段式折りたたみ
    傘の造りが複雑なことや、修理するとすれば数種類の専用の、しかも高価な道具が
    要ることを解説してくれた。「だから、最近は傘直せる人は少ないんよ」 そして、
    すっかり途方に暮れた様子のKさんにこう言った。「買った店に持ってって、文句
    言うたりぃ」
     「でも、レシート持ってないんですけど...」 Kさんが応じると、「関東の人は
    遠慮がちやなぁ。関西のおばちゃんなら、すぐ持ってってガンガン文句言うでぇ」
    と、おじさんは笑った。「相手が納得せぇへんかったら、今の説明をそのまんま
    言うたりぃ」
     Kさんはおじさんに背中を押され、その足で買った店に持って行くことにした。
    すると、「そのままじゃなんだから...」と、おじさんは手許にある紙袋に傘を入れて
    持たせてくれた。

     初秋の風が吹き始めたある日、修理屋の近くに用事ができたKさんは、
    おじさんのところに寄った。傘を買った店で無事新品と交換できたことを、
    遅ればせながら報告するためだ。おじさんはKさんの傘のことを覚えていた。
    「そやろ? 当たり前や。明らかに不良品だったもんな」  
     別れ際、丁寧にお礼を言いながら頭を下げたKさんに、おじさんは破顔一笑
    返した。「な~んも...えかったな!」 
                                       (takuetsu@管理人)

                                     

 

 実は...このKさんとは、何を隠そう、この私めのことでございます(#^.^#)
 ですので、文中の大阪弁はうろ覚えで書いているため、正確?ではありません。関西の人には違和感があるかもしれませんが、悪しからず(^_^;

 娘一家が近々大阪に転居します。東京生まれ、東京育ちの娘が全く文化の違う大阪に行けば、戸惑うことも多いはず...。でも、このおっちゃんの温かさと親しみやすさを思い出す度に、私は勇気づけられる思いです。大阪のみなさん、娘たちをどうぞよろしく!

 

                        

 

 これにて今年の記事はおしまいです。1年間おつき合いくださり、誠にありがとうございました 来年も引き続きよろしくお願いいたします  みなさま、良いお年を!!!

 


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