えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第6章 ホルモン療法 35.

2007年10月29日 | 乳がん闘病記
35.
 しかし、ただでさえ、がん患者はがんになったことで自分の免疫力に自信をなくしているし、そもそも、がんが発症した時点ですでに免疫力を極限まで落としてしまっているのだ。免疫力を上げることでがんを防ぎたい気持ちは山々だが、がんの再発や転移を防ぐに充分なほど、しかも自力で免疫力を上げるのは想像するより容易ではないかもしれないと、もう一方で考えてしまうのががん患者の心理でもあると思う。
 実際、くだんのシンポジウムでは、アンケートのこの声に対し、あるパネリストがこう答えている。「食品やサプリメントなどで免疫系が元気になるという根拠はない。それには科学的データが必要。使った人と使わなかった人で科学的、統計学的な差があるか、データがない限り、効く、効かないは言えない」 また別のパネリストはこう言っている。「免疫系が自然にがんをやっつけてくれるということはあまり期待できない」
 
 免疫機能に過大な期待はできないとする意見と、免疫学的には「がんの三大治療はしない方がよい」とする見解と…これらの相反する言葉が耳元で代わる代わる私にささやきかけてくるようだった。免疫力を自力で上げることでがんを治したい、防ぎたい、でもその自信はない…治療に取り組むからには、その効果を心から信じることで良い結果につなげたい、でも信じ切れない…。ホルモン療法と免疫力とのジレンマで、私の天秤は左に傾いたり右に傾いたり、振り子は常に振れ続き、定まることがなかった。

 2006年3月28日。Y先生に言われていたとおり、結局薬だけをもらいに行く。年頭に異動したF先生に代わって入った若いM医師が、カルテを見ながら処方だけしてくれた。私は心の中で叫んでいた。―Y先生、私本当は、この薬を飲みたくないんですけど……―

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