ある記事を巡ってやりとりされた読者同士の投稿が印象深かったので、紹介します。2017年7月11日付&28日付東京新聞朝刊の読者投稿欄(「ミラー」)より。
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「違う視点でカラス見て」
会社員 鈴木 夏海 (36) (東京都青梅市)
6月22日本欄「河北新報『声の交差点』」で「ツバメを攻撃 憎きカラス」を読みました。
わが家は東京都の外れの山すそにあり、野鳥がたくさんすんでいます。小柄なウグイスから大柄なカラスまで、多くの鳥がいます。
先日は、とても大きなダミ声で鳴くカラスがいたので電線を見上げると、親ガラスより少しだけ小さな子ガラスが餌をねだっている姿がありました。体を低くし頭を下げ、甘えた声を出す子に寄り添い餌を吐き戻して与える親ガラスの姿は、体の色や大きさ、声の美しさなどとは関係なく愛情あふれる親子のものでした。
どなたでも、家庭の生ごみを荒らされたり、その場面を目撃し、その大きな体と黒い羽毛、そして何より人を小ばかにするような態度に見えるカラスに不快な気分になったことがあると思います。しかし、5歳児並みの知能を持つというカラスの生息地に、ごちそうとなる生ごみを無防備にさらけだしておく人間に非はないのでしょうか。彼らは生きるために、子どもたちを育てるために、一生懸命食べ物を探します。ツバメやウグイスなどのように美しい姿や声を持たない彼らの、唯一の武器はその頭の良さであると思うのです。
頭脳を駆使して探し手に入れた食料は、人間が出した廃棄物です。持ち出してしまうために憎まれ、嫌われてしまう。私個人の目には、カラスの堂々とした姿はとてもりりしく、黒く光る羽は美しく、ダミ声は時にユーモラスで笑いを誘うものとして聞こえます。どうか、カラスも他の野鳥と変わらぬ営みを持つ鳥であるとご理解してほしいです。
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「母とカラスの朝の会話」
書道師範 細田 泰広 (63) (東京都小金井市)
11日の本欄ミラー、カラスの話題に触発されて筆をとります。今月2日、自宅で息をひきとりました母(書道家、享年86歳)が主役です。
母はたまたま自宅前にある「ごみ停留所」の管理と清掃を自発的に、まったくの無償で40歳前から始めました。そのころは皆、ルールを知らずごちゃごちゃでしたが、母は文句一つ言わず、他人のごみをひとり素手で分別し、出し直していました。出し方徹底までに20年以上かかりました。
ある日、ごみ停前で母はカラスに声をかけ、人の子どもに話すようにやさしく諭しますと、よく聞いてくれました。それからハシブトとハシボソが一羽ずつ毎日、私ら親子のそばまで会いに来ます。
こちらであいさつしますと、まねしてお尻をあげ頭をさげます。なんともかわいいしぐさです。以来、2羽は他のカラスや動物からごみ停とわが家を守る黒騎士になりました。
ある時、カラスの声がさわがしく外に出ますと、ごみ袋の山から一つだけ袋がひっぱり出されています。よく見ると、久しぶりに分別されていないものでした。教えてくれたのです。どのように学習したのでしょう。水も食物もあげていません。お礼をいう前に去ってしまいます。
そのうち、2羽とも姿をみせなくなりました。捕獲されたのか、母は大変さみしがっていました。
皆さま、どうか黒いだけで偏見を持たないでください。一切、誇張はありません。いまだに人も含め、こんなにやさしく義理堅い生き物を他に知りません。せめて水一杯でもあげたかった。
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(※両記事とも、段落のブロック分けはブログ管理人によります。)
最初の記事である、6月22日の「ツバメを攻撃 憎きカラス」が手許に残っておらず、また読んだ記憶がないので紹介できないのが残念ですが、読者同士の印象深いやりとりでもあり、また、両者の温かい視点にほっこりしました。
この「人間にとって有害か無害かという視点」で見たときの「ツバメやウグイス vs カラス」の構図は、あらゆる所で見られますね。「観賞用植物 vs 雑草」、「薬草 vs 毒草」…。ガン細胞など、典型的なカラスの立場ですよね。たまたま増殖力が強く、生物の性ホルモンやタンパク質と合体して増殖する知恵を持っているという、言わば生命力の強い有能な細胞というだけのことなのに、人間にとって都合が悪いので、目の敵にされ、怖れられ、抗がん剤で攻撃されて…。ただただ一所懸命生きているだけなのですから、あちらさんにとっては迷惑な話でしょう(^_^; ゴキブリだってそうですよね(^_^; ヒアリなんて、人間が勝手に運んで生態系を変えてしまっているのに敵視されて、迷惑千万でしょう(^_^;
相手の立場に立って思考する、つまり、自己客観視すると、視点が変わっていろいろなことが見えてくるものですね。
でもでもでも…ゴキブリだけには肩を持てないなぁのtakuetsu@管理人でした(^_^;
人の心まで理解出来るとは驚きです。
何とか人もカラスも上手くやって行けたら・・・
そう思いました(^_-)-☆
ほっこりする記事ですよね。ハッともさせられました。
ところで、コメントをいただいてとても驚きました。実は、昨夜この記事を書いた後、なぜか越後美人さんのことを考えていたからです。カラスが以心伝心の仲立ちをしてくれたのでしょうか? ふふふ。
やはりカラスは賢いですね。でも、旋回しながら威嚇されると、ちょっと恐怖感を覚えるでしょうね。話しかけてみたら違うのかしら???
支部同窓会、毎年開催されているのですね。それはすごいですね。同期会は4年に一度ですものね。
細く長く続くといいですね。
不明熱、熱が高い割にはすぐ下がり、病中も病後もさほど気分が悪くないのです。いつもの風邪症状オンパレードで微熱が長引く風邪より、タチがよい気がします。
体は、無駄なこと、不要なことはしないと思うので、おそらく今の私に必要なのだろうと考えています。
がんの治療で低体温になってしまったので、ひょっとしたら元に戻そうとしているのかなぁとかね(^^ゞ
そうですか、やはりカラスとの共生にも要領が要りそうですね。
不明熱のことを周りに話すと、自分もそうだとか、自分の周りにもいるとか、時々言われますよ。
病後に「リセット感」があるので、風邪の一症状としてとらえているのですが、安易でしょうかね(^_^;