えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第4章 手術 5.

2007年06月06日 | 乳がん闘病記
5.
 2005年4月4日。入院3日目。
 6時前に目が覚めるが、検温しながらまた眠ってしまう。7時過ぎ、看護師に起こされる。ボーっとしているし、歩くとふらつく。睡眠導入剤が強い薬だと言われたことを思い出した。

 息子の入学式だというのに、朝から生憎の雨。雨の中一人で出かける彼の姿を想像し、ちょっぴり切なくなる。晴れ姿をデジカメに収めておくよう夫に頼んでおいたのだが、これでは撮れないだろう。

 飲み食いできないし、暇なので、また自力整体体操をする。例の札を掲げて。途中NHKの連ドラもしっかり見る。

 10:40 昨日の専任看護師Hさんが、血栓症、いわゆるエコノミー症候群予防のためのストッキングと手術着を持ってきて、説明する。術後必要になるという大判のバスタオルと胸帯を、予め預けた。12:30に手術室に移動するので、少し前に迎えに来ると言い残して去った。

 11時過ぎ、点滴のためF先生が来室。水分を経口で摂れないので、その代わりとのこと。MRI検査のとき造影剤がなかなか入らなかったように、今回も一度では入っていかない。「痛みを起こすのはよくないことですね…ごめんなさい。でも、絶対に入れますから。大丈夫ですから!」と私にともなく自分にともなく言いながらトライするので、人のいい先生だなと思う。
 ようやく薬が入るのを確かめると、安心したように、「一番良い治療をしますから、安心してください」と、いかにも気合が入っている感じで言うので、危うく失笑しそうになった。やはりいい先生だ。
 右手手首の静脈に点滴を入れているので、手首を折り曲げると痛い。ノートにつけているメモの字も、まともに書けなくなる。

 12:00 少し早いけど、手術着に着替える。点滴の管があるので、一人で着るのは四苦八苦。点滴ごと袖に通す。T字帯とストッキングも身につけた。トイレにも行って、準備万端!

 12:20 看護師のHさんが「K畑さ~ん、手術着に着替えましょう」と言いながら入ってくる。すでに準備完了の私を見て、「あら、一人で着替えたんですか? 着替えにくかったでしょう?」と言う。「あら?」はこっちの台詞。着替えを手伝ってくれる予定だったの? それならそうと言っておいてよ。
 そのとき、会社を休んだ夫もやってきた。2人とも、遅いぞ!
 
 12:25 いよいよ手術室に行くと言う。台に載せられ、麻酔の注射を打たれ、鼻には管を入れられ、夫が一緒に脇を歩き……と、よくドラマに出てくる光景を思い描いていたが、全然違った。注射も鼻の管もない。点滴スタンドをガラガラ押しながら歩いて行く私の後ろを、夫がのこのこついてきた。
 「中央手術室」と書かれた部屋の前まで来ると、看護師と夫に見送られ、中に入る。「行ってくるね」と言うと、夫は黙ってうなずいた。天国にいるGさんにも「見守っていてね」と声をかけた。

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