山鹿素行その三(『祖国と青年』平成25年4月号掲載)
態度が重々しくなければ武士と言えない。その為には常に「思い」を深く持て!
事物の間において常に思を深くし詳に慮らば、各々当然の則に近かるべし。 (『山鹿語類巻第二十一「士道」』)
今号では、四項ある「士道」の第三項「威儀を詳らかにす」第四項「日用を慎む」及び附録「先生自警」から紹介する。
十年位前からテレビの歴史ドラマを見て非常に . . . 本文を読む
山鹿素行 その二(『祖国と青年』平成25年3月号掲載)
先づ気を養ひ得るを修身存心の本とすべき也。 (『山鹿語類巻第二十一「士道」』)
今号では、四項ある「士道」の第二項目、「心術を明かにす」即ち、「日常の心の持ち方」について述べている所から、四つの言葉を紹介する。
素行は、「何よりも、気を養う事の出来る事が、身を修め立派な心を身に付ける基本である」と述べる。「気」とは何か。気を使った熟 . . . 本文を読む
山鹿素行その一(『祖国と青年』平成25年2月号掲載)
先師曾て北條安房守の宅へ召し出され、赤穂謫居の命を承けられたる時の事を見ても、先師平日の覚悟筋を知るべし。 (吉田松陰『武教全書講録』)
幕末の志士吉田松陰は、北方の脅威の実体を探る為に、肥後藩の宮部鼎蔵と共に東北視察の旅に出かけた。二人はそれぞれの藩で、山鹿流の軍学を教える教師の立場にあった。年齢は宮部が十歳上だが、日本の将来を憂える同 . . . 本文を読む
葉隠その五(『祖国と青年』25年1月号掲載)
真の智慧にかなひがたき時は、智慧ある人に談合するがよし。(略)大木の根多きが如し。一人の智慧は突つ立ちたる木の如し。(聞書第一 5)
今回は、「知恵」をテーマに紹介する。山本常朝は、聞書第二の中で、「武士たるものは、先ずは主人に身体と生命を捧げきり、更に内には『智仁勇』三つの徳を身に備えねばならない。三徳兼備などと言うと難しそうだが、実は簡単な事 . . . 本文を読む