俺の元パワハラ課長のタナカの話し。(仲悪いくせに、どういう訳か当人から直聞き。まあ、一応の飲み仲間ではあった)
俺がタナカに嫌気差して辞めた翌年に、
俺がいた会社は潰れた。
タナカは転職して、
新しい会社に入っても、
ヒラ社員として、
重んじられないポストと仕事に日々を過ごした。
タナカには、
もうすぐ、
大学受験を迎える次女と、
大学落ちて予備校に行ってる長女がいた。
俺はよお知らんけど、
前の会社のモンが言うには、
タナカの幼なじみの男が、
スナック出していて、
会社で二次会の場を安く提供してくれてたらしい。
時は、
バブル時代🤩
日本経済はStay Goldしていた時。
が、
人件費を浮かせる為に大企業が、
中国へと経済進出したので、
日本経済はStay Dead💀となった。
そうこうして時が過ぎて、
俺がタナカのいる会社に来た時は、
閑古鳥も鳴き疲れた状態やった。
一方、
タナカの幼なじみのスナックには、
元美人ホステスの嫁と、
小学一年生のタマキ君という子がいた。
当然、
バブルでは左団扇も、
バブル崩壊とともに右団扇となり、
最後は、
団扇も消えた手のひら扇ぎ。
そして、
一家で夜逃げした。
闇金から、
多額に借りまくっていたから。
ある日、
そのことを聞いたタナカは、
タマキ君をとても可愛がってたので、
心を痛めた。
また、
嫁が熱出してたので、
野菜も炒めた。
タナカは、
タマキ君に会えば、
一万円の小遣い与えていたという😦
タマキ君には一万円やっても、
俺には一円もくれん男やったが😞
話しを戻そう。
その日、
暖冬のせいで、
街は夜霧に包まれた。
そこにタナカが元気無く歩いて、
実家に帰った。
年老いた両親はとても喜び、
タナカの母は、
「じいさん、茶を入れなさい」と声掛けした。
タナカの父親が茶を入れてくるや否や、
タナカは今の会社での扱い方に激怒して、
辞職したい旨を告げて、
悔し涙まで浮かべた🥲
父親も一緒にキレて、
「いくら転職したからって、お前は元課長やろ⁉︎今の若造上司に舐められること自体、御無体のキワやないか😡」と吐き捨てた!
更に、
「お前は大学出でもあるし、技量は一流のはずだ」とまで言う。
タナカは悲しげに、
「でも、三流大学やと小馬鹿にされた」と呟いた。
父親はガチキレして、
「ナンヤと😡三流は三流でも、大卒には変わりねぇじゃないか😡😡辞めちまいな‼️そんな会社🤬‼️」とわめく!
タナカの母は、
禁煙の誓いを破って煙草取り出し燻らせながら、
「そりゃ辞めることは簡単やわな」と言ったので、
父親はキレて、
「こいつが会社で馬鹿にされてるというのにあんたは---」と言い出した。
母親は父親の言葉を静止させて、
「まあ聴きなさい。辞めるのは簡単でも、後に残った二人の娘はどうする?自分の感情爆発させて知らんぷりか?」と問い詰めた。
タナカは涙ぐみながら、
「そうでした。娘たちのことを考えてませんでした。お母さんお父さん、ありがとうございました😭😭」と言って立ち上がり、
出て行った。
夜霧に包まれた夜更けの街をタナカは、
元気無く歩いた。
そこに、
「タナカのおじちゃん」という優しそうな声が聴こえ、
厚化粧の若い娘が来た。
タナカは不機嫌そうに、
「どちらさんかご存知ありませんが関わらないでくださいまし」と答えた。
相手は構わずに、
「おじちゃんには、よくお店に飲みに来ていただいて、一万円もお小遣いいただいてました」と言うので、
タナカは相手をよくよく見つめた。
そして驚いて、
「タマキ君😳❓ナンデそんな😳😳---」と絶句した。
相手は軽く笑って、
「もうタマキじゃないんです😀タマコです😀あれから捕まって、やっこにタマ抜かれて、風俗にいるんです」と言う。
タナカにガク(愕)😱が入った❗️
そして必死に、
「お父さんとお母さんは😳😳❓❓」と尋ねると、
タマコは軽く笑い、
「戸籍を抜かれたウチらに、家族なんてございません」と答えた。
タナカは財布を出して、
千円札を一枚出し、
「これでなにか美味いもんでも」と言って渡した。
タマコは両手で千円札を受け取り、
「タマコは野口英世よりも、おじちゃんがくれた福沢諭吉の方が好きでした」と言って頭を下げた。
そこに、
厚化粧のオヤジが現れ、
「タマコ😡❗️ナンナンさ‼️客ほったらかしにして🤬❗️血みどろにイテまうよ‼️」と叫んだ!
タナカは怪訝そうに、
「どちら様で❓」と問うと、
オヤジは、
「あたしは、ブルーライトはこざき!お前ごときのゴキブリが手を出す相手と違うんわさ‼️」と怒鳴って、
タマコを強引に引っ張って行き、
夜霧の中に消えた。
夜霧から、
「おじちゃん。がんばってね」と言うタマコの声が漏れた。
タナカは哀しくも、
今の会社で頑張っていこうと決意した。
そして、
夜霧を前に進んだ。
翌年、
そのタナカの会社も潰れた🙀‼️