ケイシロウとトークアバウト

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ここに居場所があった

2023-12-02 23:31:00 | 日記




この社会には、
健常者と呼ばれる人たちとともに、
そうではない人たちもいる。
この、
そうではない人たちは、
健常者と呼ばれる人たちの生活ルールにそのまま適合出来ないため、
適合していくための場所がある。
それは、
かつては、
支援作業所と呼ばれ、
今日は、
就労支援センターと呼ばれる。
この健常者ではない人たちがもたらした、
ひとつの出来事を、
ここにカキコする。

ミノルという幼稚園児がいた。
元気さが有り余り、
お昼寝の際も、
起きて動いていた。
このミノルの幼稚園に、
支援作業所の利用者たちが、
園児が寝てる時に、
清掃作業をしにきていた。
この人たちは優しく、
ミノルと楽しく会話してあげて、
清掃を済ませた後、
必ずミノルに、
「良い未来があるように」と言ってくれた。
この言葉は、
ミノルの心に、
魔法のように浸透して、
ミノルはおとなしくみんなとお昼寝するんやった。

15年が経った。

ミノルは大学生になり、
チア部キャプテンのしのぶと付き合っていた。
ミノルは就活方々、
趣味の琵琶を奏でて、
様々な発表会で、
聴き入る者達を感動させた🥹

そんなミノルがしのぶとキャンパスで語り合っていると、
大企業経営の両親を後ろに持つ、
フルカワという男が現れた。
フルカワはしのぶに、
「そんな男捨てて俺と付き合わねーか⁉️」と馴れ馴れしく言って来たので、
しのぶはキレて、
「馬鹿にしないでよ!あたしは安い薄情な女じゃありません!」と強く言い返した!
フルカワは、
オパールのネックレスを出したので、
しのぶはフルカワの胸にしがみついて、
「あんたこそ、シンのオトコよ❗️」と言って、
フルカワとともに歩き去った。
フルカワは、
自分の高級車の助手席にしのぶを乗せて、
ミノルを置いて走り去った。

ミノルは、
しのぶにたくさん復縁メールをしたが、
しのぶはミノルに、
電話で、
「しつこいわね!小判ザメがいて大判ザメがいないので、海洋では経済マヒが起きてるって時にあんたはワガママ過ぎる!」と、
訳のわからんいんねん付けられて、
復縁は絶望的になった。
ミノルはフルカワを憎悪した。

ある風雨強き夜。
しのぶとフルカワが部屋でロマンスの香りに浸っていると、
風雨に混じって、
琵琶の音が、
フルカワの家の裏の空き地から聞こえてきた。
フルカワが窓を開けると、
ミノルが、
風雨の中で、
フルカワの家に向かって琵琶を弾いていた。
フルカワは驚き🫢
「あいつ、一体------」と言うと、
しのぶは、
「少なくとも、あんたをほめてはないわね」と言った。
瞬間、
停電した!

真っ暗な部屋には、
風雨と琵琶の音が響き、
しのぶは恐ろしくなって、
「あたし帰る」と言い出した。
が、
フルカワがしのぶの腕にしがみついた。
しのぶは必死に、
「離して!離してよ!!」と大声出すと、
フルカワも必死に、
「嫌だ!嫌だ!僕はこの手を離さない!!」と言い返すので、
しのぶは、
「離しやがれ❗️」と怒鳴って、
フルカワを蹴り倒した!
それでも、
フルカワはしのぶにしがみつこうとしたので、
しのぶは、
フルカワの目元に手鼻を飛ばした!
目を押さえて怯んだフルカワを置いて、
しのぶは逃げて行った。
ミノルの琵琶の音は止まらず、
フルカワは神経が麻痺してしまった。

その後、
フルカワは、
精神を崩壊させて、
精神病棟への長期入院となった。
一方、 
ミノルも、
攻撃的人格障害を患い、
精神病棟への入院となったが、
一年ほどで退院した。

何もかも無くしたことを悔やむミノルは、
病院側の紹介で、
とある就労支援センターへと通うことになった。
そしてそこは、
かつて、
幼稚園児時代に、
清掃作業をしていた支援作業所でもあって、
しかも、
あの時の利用者がほとんどいた。
歳を取ったとはいえ、
みんなはミノルのことを覚えていた。
ミノルはみんなから可愛がられ、
センターで仲良く作業することが生き甲斐となった。

そして、
数年の時が経ち、
ミノルは、
就労支援センターからの紹介で障害者雇用というカタチで、
事務職の仕事を得た。
ミノルが、
新しい出発をするために、
みんなとお別れする日、
みんなはミノルに、
「良い未来があるように」と言った。