前にも書きましたが乙姫は今ロスの娘宅に来ています。
彼女は高校で生徒の喧嘩の仲裁に入って頚椎を痛めてしまいました。
その結果急遽手術と言う羽目になってしまいました。
即手術をしなければ全身麻痺の障害者になってしまうと言うことです。
喉を切り開き横の方に移動させ、そこから後ろの頚椎をネジで止めその上を金でカバーしたらしい。
かなり難しくその筋のプロフェッショナルが執刀してくれた。
そこまでは驚かないのだが、其の後の治療は殆どが機械、全身は足の先から喉元までチューブだら
けで覆われている。
どう見ても人間らしき格好ではない。
酸素吸入も施されて居たのだが鼻から一寸ずれても機械が喚き出す。
大きな音でビッビッビー、すると看護婦が飛んでくる。
痛め止めだっていちいち看護婦が打ちに来るのでは無い。
痛くなれば病人が傍にあるボタンを押せば自動で決まった量が入る仕組みになっている。
それでいて病人の元気なことと言ったら、看護人の私より元気なのだ。
そして昨日の夕方電話があり、もう退院です、一晩だけの入院だった。
個室に入ってあれだけの設備では一晩だって莫大な費用がかかるから置いてはくれない。
特に娘の場合は其の元気さに病院側も驚いて居たという。
もう、ドクターのやるべきことは終わって後は自然治癒に委ねると言うことらし。
首は動かないようにしっかりと保護はされているが兎に角歩け、歩けの一語に尽きる。
又その病院の大きさと言ったら、爺と婆は病院内で何度も迷ってしまう。
そして帰りは駐車場に帰れなくなり看護婦が送ってくれた。
あなたたちはwest side pa-kingから入ってくるのを私は見てましたよと言って
丁寧にもそこまで送ってくれた。
余程老人に見えたのだろうか、恥ずかしさこの上なし、否、病院が余りにも
馬鹿でかいからだったのだ。
何ともこの婆の付いて行ける時代は遠い昔に去ってしまった感がする。
病院は驚くばかり立派ですが、患者の御馳走と言ったら健康な人でも食べられないようなものでした。