丹 善人の世界

きわめて個人的な思い出話や、家族知人には見せられない内容を書いていこうと思っています。

兄の結婚

2011年02月20日 | 個人史
すぐ上の兄が結婚したのが僕が高校3年の時。

兄は高校卒業後、大手の繊維メーカーに就職。研修の後、系列の子会社に出向の形で移動する。赤穂浪士で有名な赤穂の支店に勤務。音楽好きな兄はそこで社内の合唱部で活動。ちなみに兄は今でも地域の合唱部に入って、年末は第九を歌っている。
閑話休題
その合唱部で同い年の地元の女性と知り合って交際する。

兄が堺の支店に転勤になっても交際は続いて、両親に結婚の相談をしたのが兄が21歳になったばかりのこと。若すぎるし上の兄がまだなのにという反対もあったが押し切る。

相手の彼女とは偶然に出会う。

いつの時か忘れたが、たぶんまだ川西にいた頃じゃなかったか。
というのも、宝塚ファミリーランドに自転車に乗って遊びに行ったのだから。

宝塚歌劇のある宝塚ファミリーランドは、祖父が宝塚に住んでいたから地裁頃からなじみが深く、当然ながらいつも電車で行っていた。
ある日ふと考えると、宝塚って川西の隣の市で、勾配もあまりないから自転車ですぐに行けるのではないかと。そうすると交通費が浮くし、当時入園料金はうそみたいに安かったから、休日の暇つぶしに出かけるのもいいかなと思ってしまった。

ということで自転車で出かけて、入り口近辺に駐輪、中に入ってブラブラしていると、突然声を掛けられた。兄のカップルがちょうど同じ日にデートしていたのだった。
後に兄嫁になる彼女が、あそこにあなたによく似た少年がいる、と言ったとか。兄が見て、あれは弟だ、と気がついたとか。
全くの偶然。そんなこともあるのだと思った。

夏になって正式な話を相手の家に伺って、僕も両親と一緒についていった。話し合いの席にはつかなかったが。
ちなみに彼女には僕と同い年の弟さんがいる。偶然にも僕と同じ大学に進学するのだが、あちらはストレート合格、僕は一浪ということで学年が違ったこともあったが、ほとんど話をすることもなかった。

結婚式が11月3日に天満で行われる。その時、兄は誕生日が11月14日なのでまだ21歳だったが、彼女の方は9月生まれなので22歳になっていた。ほんのわずかの差で年上になっていた。
披露宴で僕はクラシックギター独奏をする。前述のギター同好会で仕入れてレパートリーに入れていた「小さなロマンス」という小品。
あがっていたせいもあり、おまけにこの日のために弦をすべて張り替えていたこともあってチューニングがゆるんでしまって最悪の出来だった。

その後兄の家にはよく泊まりに行った。兄嫁さんとはウマが合うというか二人目の子どもが生まれてから体調が悪くなるまで、よく会いに行った。まだ子どもが生まれる前にも泊まって夜中にいろいろおしゃべりをし、上の子どもが生まれてからは子守に出かけたりも。
信長じゃないけれども人生50年を迎える前に亡くなってしまって、生駒山の霊園にあるお墓にもよく出かける。