未来への絆 【江戸っ子畳職人物語】

この物語は畳の仕事や日々の暮らしを通し
      家族の愛と信頼を
  余すところ無くブログ化したものでる。

平成29年 熊本産地研修 【より深く向き合うために】

2017年03月03日 15時03分45秒 | 熊本県畳表産地研修
こんにちは。
 
 
平成29年3月1日2日、熊本県八代市に行って参りました。
昨年の四月大きな地震が発生した熊本は、一年経とうとしている今現在でも大きな爪痕が残っていました。
 

 
畳屋さんにとって畳表(畳のお顔部分、ゴザ)の生産地でもある、熊本県はとても大切な場所です。
今残る爪痕を現実に目にし、胸の締め付けられる思いになりました。被災された多くの皆様が、いち早く元の生活に戻れるように、心から応援しています。
 

 
以前より研修などでも一年に一回は必ず訪れる熊本。今回産地を訪れたのは、今年の冬に仕事をするお寺様の畳で使われる畳表を、実際に織られている姿を自分の目で見つめる事と、イグサの生育から見守り愛情をかけて育て、熱い情熱をもって織り上げられる生産者様にお会いする為に、訪れました。
 

 
今現在、産地では盛んに畳表が製織されている時期でもあり、今のタイミングでの御注文によって半年以上畳表を寝かせる事も出来、畳にする際に畳表がより追熟した状態で届けられることが出来ます。
 
 
 
畳表(畳のお顔部分にあたるイグサで出来ているゴザ)を寝かせることによって何が生まれるのか?は別の機会にゆっくりお話させて頂きます。
 

 
畳表は材料商や様々なルートで購入することは可能です。普段も信頼のおける産地問屋様にお世話になり、一年を通じて高品質な畳表をお客様に御提供できることが可能ですが、「畳表」という農産物として流通され畳店のもとへ届くのがほとんどです。
 
 
 
今回製織される段階で実際に生産現場を自分自身で見つめることで、生産者様のこだわりや、お人柄に触れる事により、畳を作る際にもっと深く向き合えると考えました。
 
 
 
何より畳を作りながら生産者様のお顔が浮かんでくる事は、職人として、とても大事だと思っています。
 
 
 
畳は一人で作れるものではないと以前にも綴った事がありますが、綺麗ごとではなく、本当にそう思います。生産者様がいて、産地を守ろうと踏ん張っている産地問屋様始め多くの皆様の想いが詰まった「畳表」を精一杯向き合う事で、沢山気持ちの詰まった畳をお客様にお届けしたい。その一心です。
 
 
 
この畳でお客様にお喜びいただけることが、この仕事に向き合う全ての人が笑顔になる事だと信じています。
 

 
穏やかな雰囲気の中に、とっても深い情熱を感じる事が出来ました。多くの事を学ばせて頂き、お会い出来てとても光栄でした。大切にお届けさせて頂きます。
 
 
 
 
い草生産農家の吉田一哉さま
平成25年 第39回熊本県い草・い製品品評会 農林水産大臣賞
平成26年 い業大会 全国い生産団体連合会会長賞(い製品)
 

 
お世話になりました皆様には、お忙しい中、大変にお世話になりまして本当にありがとうございました。
また必ず伺います。

平成28年熊本県生産地研修【製織を体感】

2016年02月14日 16時54分18秒 | 熊本県畳表産地研修
平成28年2月11.12日 畳表の国内最大の生産地になります、熊本県八代市に、品質の見分け方、製織体験研修会に参加して参りました。
 
 
年に数回訪れるい草の生産地、八代に行って今回も非常に内容の濃い研修会になりました。
 
 
畳のお顔部分にあたる畳表(ゴザ)は機械で織り上げられているのだから、みな同じだと思いますか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
畳表になる前の途方もなく考えられた細かな作業の繰り返し、畳になっている時はそんな工程はお客様には浮かびにくいかと存じます。
 
 
 
すべての作業に意味があり、その全ての作業は生産者様によっても変わって参ります。
 
 
 
今回製織工程の勉強をさせて頂く中で、これほどにも畳表という農産物に向き合う一端に触れる事が出来、大変に感銘を受け、少しですが学ばせて頂きました。
 
 
 
い草の力、出来上がりをイメージした中で、どれだけ近付ける事が出来るのか?毎日の気温、湿度、自然と向き合う中で生まれる畳表。
 
 
 
この時期には外仕事(イグサ田に向き合う仕事)と平行に、ご家族皆様で粉塵舞う作業環境の中、いかにイグサを織る織機に、イグサを設置する前に、向き合う作業が大事なのかを学びました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
畳表の製織工程の中に、仕上げ作業という工程があります。最終の工程に近いのですが、私も経験させて頂き、とても難しく畳表に傷を付けてしまいました。製織する過程で生まれた微細なアラを、特殊な技術を、もって仕上げます。凄く根気のいる難しい作業です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
普段何気なく触れている畳表にはこんなにも気を使われて美しい仕上がりになっていると言う事に、改めて感謝の想いに溢れました。
 
 
 
産地に行くたびに新しい気持ちが宿ります。
 
 
 
今回研修には家内も同行しました。
 
 
 
家内にとって初めての熊本県八代市でした。産地に触れる事により、また大変に有意義な研修を受けることが出来て、想いも新たに変化した様です。
 
 
 
 
 
 
実際の産地を見る。この事は非常に大事な事だと感じています。畳は一人で作られてはいないという事を改めて認識し、大切に届けたいという気持ちがより強くなりました。
 
 
 
お世話になりました、生産者様はじめ全ての皆様本当にありがとうございました。

平成27年 熊本県八代市いぐさ刈り取り研修

2015年07月12日 00時52分25秒 | 熊本県畳表産地研修

 

【イグサのつるっとした感触や鎌で刈り取った時の「シャクッ‼︎」っていう音。】

【い草を乾燥させる際に乾燥室から出てくる独特の香り。】

【乾燥室から出てきたばかりのほかほかのイグサの熱さ。】

【ぬかるんだ田園を歩く感触。】

【八代海からくる潮の香り。】

【蒸し蒸しとした湿気の強さ。】

【杭の重さ。】

【朝露を浴びたイグサの美しさ。】


わずか少ない日程でしたが、鮮明にその感覚が目に手に鼻に残っています。

産地の様々な人にお世話になりまして、大変に有意義な素晴らしい研修を体験。

畳のお顔部分にあたる畳表の原料、国内最大の生産地、熊本県八代市に行ってまいりました。



ついた初日は田んぼに入りイグサが倒れないように張ってあった網を外して、明日の刈り取りに備える作業、ぬかるんだ田園で足を取られながら、少しづつ外して行きます。わずか数10センチの巾で網を外す意識より自分が倒れないようにするのに必死でした。物凄く手間をかけて立派に育ったい草を踏まないように必死での作業です。

 



 

 

網を外し、網を巻き取り、網を支えていた杭を外して、またぬかるみの中を歩く。普段私が絶対に体験しないような現実、凄く杭も重たかったです。

 



明日の準備をする中で、イグサの刈り取り専用機があるのですが、その機械を入れる為のスペースを一株一株鎌を持って刈って行きます。

 

 

すぐったいぐさの中で一休み!!

 

 

刈られたイグサは長さをある程度選別して、紐で縛ります。少しづつ体験する中で大変に思いましたが、機械がない時代は広い田園を全て手で刈る。とんでもなく大変な事です。あの刈り取ったばかりのつるっとした感触は忘れられない、そして手塩にかけて育てたイグサを刈り取っている時に生産者様の笑顔を見つけました。収穫の実りを喜ばれている笑顔です。



とっても感動しました。



 

まだ真っ暗な朝早くに、物凄く熱を持った空気環境で、染める土と書いて「染土」が舞う真っ白な空間に立ち、イグサを数株づつに分け袋に入れ保管する。そしてすぐさま前日に泥染めしたイグサを一株づつ綺麗に並べて行く。私は気を失いそうになるくらい、大変な環境です。それを生産者様はイグサ刈りの数十日間、毎日のように作業されます。

 

 

美しい朝焼けに美味しいご飯を頂き、すぐさま昨日網を外した田園の刈りとり作業へ、昨日の夕立のせいか朝露か、刈り取られたイグサたちから溢れる水滴は大げさですが何かとっても美しくて、とっても綺麗でした。

 

 

刈り取られたイグサは一株づつトラックに積み込んですぐさま生産者様宅へ、また一株づつ泥染めをして一株づつ明日の乾燥に備え準備します。

 


ほんのすこしだけでしたが泥染めしたばかりのイグサを積み込む作業を体験しましたが、あのビショビショになったイグサの重さも手に残っています。

 

私が体験させて頂いたのはほんの一部にすぎませんし、生産者様によっては違う環境もありますが、サイクル的には同じ作業の繰り返しです。



そのご、様々な時を経て畳表となり、私達のもとへ届いて、畳になりお客様のもとへ届けます。

 

大切に届けたいと想う気持ちが今まで以上に強くなりました。感触や香りや色々な想いが忘れられないんです。

 



私が産地に行って一番変わったのがその想いです。自分が体験する事によってわずかな体験でも心は大きく変わります。



畳って素晴らしい敷物だと思います。


イグサ生産者様をはじめ産地に携わる人、畳を作る人の様々な想いがたくさん詰まっています。



凄く贅沢だと想う今日この頃、明日からの畳も火傷するぐらい熱いたたみを、お世話になりました全ての方に感謝して学ばせて頂いた事を大切に届けます。



本当にありがとうございました。

 

追記で!!

 

 

バイクでまさかの移動(笑)

 

 

共に学んだ仲間です。彼と八代に行くのは四回目。感謝してます!!本当にありがとう。刺激をいつも感じてこの世代や時代にできる事を精一杯頑張ろう!!


熊本県畳表産地研修ニ綴り。

2010年02月10日 19時49分07秒 | 熊本県畳表産地研修

「畳は生き物です。」過日の研修で、体験・勉強してきた言葉です。

まさにその言葉通り、畳は生き物だと、以前より強く感じるようになりました。

お客様に畳を納品する際も、「生きているものですから愛情をかけて育ててください!!」

畳と向き合いながら、楽しめるお話など、楽しくお伝えさせて頂いております。

一重に、勉強させて頂いた、皆様のおかげです。感謝の気持ちで一杯です。

自然から頂いた恵み(畳)を、育み、愛しむ事が出来る事。

畳って本当に素晴らしい生き物だと感じています。色々なお客様と、沢山、畳について

お話したいですね。分かり易くお伝え出来る様に、日々努力です。

P.S

 体調にはお互いに、気を付けましょう ! !電車はさっぱりです。


熊本県畳表産地研修一綴り。

2010年02月08日 21時13分09秒 | 熊本県畳表産地研修

 

今晩は。久方振りにございます。宜しくお付き合い頂きたいと、存じます。

この度、畳の原材料(畳表)で原料でもある、イグサ栽培日本一の熊本県八代に

イグサ・畳表産地研修をさせて頂きました。熊本県八代に行くのは10年振りでした。

前回は、色々な場所や生産現場を見学するだけででしたが、今回は実際に、イグサの

選別体験・イグサの加湿体験・仕上げ作業体験、等を体験させて頂きました。

(詳しいお話は、又後日にでもお話させて頂きます。本日は気持ちが先行しております)

今回、一番に思った事は、生産現場に行き、見学するだけではなく、実際に生産現場で

生産者様とお話をし、体験する事によって、いかに畳表が素晴らしい農産物だと言う事を

肌で感じた次第です。イグサを栽培するにあたり、その年その年の天候の違いによる

栽培管理。自然相手に、こんな大変な事は無いと思います。畳表に織り上げるのも

実際に自分で製織させて頂いた畳表は物凄い状況でした。とっても難しかった。

その時期の温度・湿度・時間帯や風向き、沢山の条件下の中で生産者様は、その時

その時の頃合をイグサと会話して最良の畳表に仕上げております。この事は自身で

体験する事によって、いかに難しいことか、感じ得る事がました。

生産現場を何も知らず、人から聞いた話や、かじった程度の知識で、今まで商売していた事が

とっても恥ずかしく、情けなく感じました。でもある生産者様に、「今から変わるんだよ」

「ここからだよ」って背中を強くココロで押してもらい、イグサの事・畳表の事・生産地の事

畳に対しての意識が強く変わりました。今回の生産地研修は、これから畳業を営む

上で、私の宝物になりました。学ばせて頂いたこと、感じた事を、これからの日々に

生かして参る所存です。これを期に、時間を作り、どんどん勉強しに行きたいと思っています。

今回、勉強させて頂きました、生産者の皆様、本当にありがとうございました。

お客様へ沢山の畳への愛情を自身の温もりも込めてお伝えして参ります。

P.S

此度、このような貴重な体験をさせて頂きました、組合の皆様

本当にありがとうございました。そしてニブヤ畳店様。本当にありがとうございました。

同じ時代に生まれ、同じ家業を有し、共に勉強できた事。私の誇りです。

ありがとう。又勉強しましょう。